ボウイの盟友ギタリストが思い出を語る「あんなに好奇心の強い人はいなかった」



私はレコーディングにはオープンマインドで参加する。私が演奏をしたアルバムでは、左を向けと言われれば、私は言われた方向を向くようにしていた。デヴィッド・ボウイには、独特のロックンロールなところがありながら、同時にファンキーなところもあった。彼が持ってくる曲はどれも、最初はどうも一本指で弾いているように聞こえた。でも私の流儀では、そういうコードがお好みなら、そこに至るまでに弾くとよさそうなコード案を15ほど示してやるのだ。すると彼は「頭がいいなあ。気に入った。じゃあそれでいこう」と言ってくれた。その上で、彼は別のコードを弾くんだ。私は「さすがですね!」なんて言うんだ。彼はいつも、作曲を中華料理のメニューに例えていたよ。「A列から1品、B列から2品、C列から3品ください、これで1曲できあがり」なんてね。確かに簡単にできた。なぜか彼は、私をリズムセクションに一番長く置いてくれたね。

我々の友情は、その時代から今に至るまでずっと続いた。私は彼が求めたものは、全部提供してきた。同じ人や同じ場所を尋ねていっても、いつも新しい発見ができるというのは、とても珍しいことだ。だから、バンドのメンバーが新たなデヴィッドを知っていくのと同じように、デヴィッドも新たな私を知ってくれたんだと思う。我々には適応力があった。それに、ステージ上の主人公はデヴィッド・ボウイただ1人しかいないことも私は分かっていた。そのことをわきまえて尊重している限り、デヴィッド・ボウイは誰とでもうまくやっていける人だった。

Translation by Kuniaki Takahashi

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