デッドファンのアーティストが選ぶ、グレイトフル・デッドの名曲

クリス・ロビンソン(ブラック・クロウズ):『ダーク・スター』(1968)
Chris Robinson
Photo: Scott Dudelson/Getty

最初にグレイトフル・デッドにのめり込んだ時、『ダーク・スター』はこのバンドの宇宙のブラックホールだってことに気付いた。この曲は、宇宙や時間、数学、引力といった現実の枠の外に存在している。バンドの魅力がこの一曲に全て収まっている。ある意味、ピンク・フロイドの『星空のドライブ』のアメリカ版だ。実際の幻覚体験でできた曲だからね、本物だよ。一切薄められていない。彼らが発表しようとした編曲済みのシングルは爆笑ものだけど。既存の音楽に比べて元のバージョンは完成度が高い。歌詞のイメージから、コーラスやバースのない構成に至るまで完璧だ。抽象的だが、素晴らしく強烈だ。そんな曲作りができるバンドにいること自体がオカルト的な魔法だ。


Translation by Satoko Cho

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