ビリー・コーガンが語る、スマッシング・パンプキンズの最新ツアーとTwitterを辞めた理由

─昨年Twitterを退会されましたが、開放されてすっきりしましたか?

悪評がありほとんど利益を還元しない人たちから多くを受け取るソーシャル・メディア・モデルはあまり好きではない。特に利益の還元という意味においてTwitterはとてもお粗末なモデルだと思う。

─でも、長年利用されていましたよね。

うん、でも不利益を被るのは嫌だった。

─確かに、一日中手当り次第に攻撃してくるだけの人たちを避けるのは良いことですね。Twitter上での発言は悪意が強くなりやすいですし。

俺も君と同意見だけど、その議論はソーシャル・メディア全体に範囲を広げることができる。最終的には、アーティストがこういった民衆の地位向上に対応しなくても、もっと直接的な方法で皆と話す機会の活用法を考える時代になると思うよ。もっとひどいのは、立派な出版社で働く人は、ダラダラ過ごしながら自分の仕事を文字通り隈なくチェックし、マンソンのペニスの大きさに関する記事を書かせる巨大な操り人形を持っているらしい。君があの見出しを見たかどうか知らないけど、あれは最近気に入っている記事だよ。

─あれを見たのは覚えています。

ああ、俺が仕事をしているプロレス団体で働く友達と動画を撮ったんだ。彼が自分のペニスの大きさについて話し、俺がふざけてマンソンの方が大きいと言う、短いユーモアのある動画をね。あれは明らかにジョークで作った動画で俺たちはふざけていただけだけど、「ビリー・コーガンがマリリン・マンソンのペニスのサイズについて語る」っていうのがそのまま見出しになったんだ。

Twitterの話に戻るけど、彼らは実際に俺に電話をかけてきた。退会した後にTwitterから電話が来て、「何が起きているのか把握したい。手伝えることはありますか?」と言われた。だから俺はそれには礼を言ったけど、「君たちがしていることは俺の利益にならない。君たちは株式で大儲けしているけど、俺たちにはどんな見返りがあるのか?」と言った。まあ今彼らの株価は下落しているけどね。レスリングの表現で言うと、彼らはスター選手のヒートすべてを取って、スター選手は必ずしも利益としてヒートを返してもらえるわけではないってことだ。でも、利益が得られる可能性があると主張できるようなモデルもいくつかは存在するから、まだ断定はできないと思うが、Twitterのようなモデルは結局セレブに不向きなものになってしまった。

─でも、カニエ・ウェストなどのセレブを見てみると、彼はメディアのフィルターにかかることなく、10セントも支払わずに2000万人のフォロワーを獲得しています。それは彼にとって利益ではありませんか?

特定の個人に限った議論はしないけど、俺の意見はこうだ。例えば「あの人の発言信じられる?」って感じるような、話題になるためにかなり奇抜な発言をする傾向のあるごく一部の人には役に立つと思う。常軌を逸した存在にならないとね。もし、君が人前に出て、まともじゃないことを称えるタイプの人間なら、奇抜であるのは構わないだろう。でも、俺は今父親であり、もちろん自分が誇りに思えるものを求めてミュージシャンとしての人生を立て直すことに多くの時間を費やしてきた。そんな人生のフェーズで、奇抜になってTwitter上の喧嘩に没頭することはただ俺の立場にはふさわしくないように思える。

Translation by Shizuka De Luca

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