トランプ批判のラップ曲が誕生:「あいつは黒人の癌」YG&ニップジー・ハスルの訴えを聴く

ファンキーなナンバー『FDT(ふざけるな、ドナルド・トランプ)』で共和党の最有力候補を批判するニップジー・ハスル(左)とYG(右)。(Photo by Jeff Kravitz/Getty Images for Anheuser-Busch /Taylor Hill/Getty Images)

「ドナルド・トランプを勝たせちゃいけねぇ。あいつは黒人の癌なんだ」ラッパーの2人がベースラインにのせたラップでこう訴えかける。共和党の有力候補トランプ氏の発言もサンプリングされた曲を発表。

米大統領選の選挙活動を通して、数多くの敵を作ってきた共和党の最有力候補、ドナルド・トランプ氏。米スピン誌は、ラッパーのYGとニップジー・ハスルが3月30日にサウンドクラウド(SoundCloud)上で公開したファンキーな新曲『FDT(ふざけるな、ドナルド・トランプ)』で、トランプ氏を猛烈にディスっていることを取り上げている。







ジョージア州で行われたトランプ氏の演説会場から追い出された、黒人学生の怒りの声のサンプリングで始まる同曲は、出だしから曲全体の雰囲気を感じ取ることができる。シンプルなベースラインとプログラムされたパーカッションの弾けるような音にのせた「俺は白人は好きだけど、お前は好きじゃない/近所の黒人はみんな、お前をぶちのめしたいんだ」という核心をついたラップが突き刺さっていく。

また多くのアメリカ人の困惑の声を「俺はドナルド・トランプの暴言はジョークだと思ってた」とラップで代弁し、有権者に「ドナルド・トランプを勝たせちゃいけねぇ。あいつは黒人の癌なんだ」と懇願する。さらにはサンプリングされた、トランプ氏の物議を醸した米国南部の国境に壁を建設するという発言に対して、「黒人愛、ヒスパニックのプライド」というメッセージと共に批判している。


「メキシコ人なしではアメリカじゃない」2人はラップでこう意見する。「今が団結する時なら、クソッ、やってやろうじゃないか」

YGとニップジー・ハスルは、共和党のトランプ候補を公に批判してきた多くのミュージシャンの仲間入りをしたといえる。これまでにトランプ氏のことを、若手ラッパーの マック・ミラーは「人種差別の卑劣野郎」、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーは「リアリティ番組の馬鹿な能無し」と呼んできた。またR.E.M.のマイケル・スタイプは、選挙キャンペーンでバンドの『It’s the End of the World as We Know It (And  I Feel Fine)/世界の終わる日』を使用したトランプ氏や同候補のような政治家に対して、「黙ってろ」と怒りを露わにしている。

Translation by Miori Aien

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