キッスのジーン・シモンズがヒップホップを完全否定:「ラップなんて早く終わればいい」

ラップ・ミュージックの終わりが待ちきれないと話す、キッスのジーン・シモンズ(Photo by Paul Kane/Getty Images)

「マドンナみたいな『ディスコ・ディーヴァ』にもウンザリさ。カラオケの方がまだマシだよ」

現在のポップチャートの状況に、ジーン・シモンズが苦言を呈した。「ラップなんて早く終わってしまえばいいんだよ」現在はリアリティ番組の司会なども務めるシモンズは、ローリングストーン誌にそう語った。「優れた歌詞とメロディが評価される時代が戻ってくることを願ってるよ。ただ喋ってるだけのようなものじゃなくてね。音楽っていうのは歌詞とメロディがあってこそなんだよ。少なくともメロディは不可欠さ」

キッスの『地獄の軍団』が40周年を迎えるにあたって行われたインタビューで、シモンズは現在の音楽業界の状況を厳しく非難した。「俺はインターネットが嫌いなんだ」シモンズはそう話す。「音楽で飯を食ってきた俺に言わせれば、誰もが曲をタダで提供している今の状況は狂ってるとしか言いようがないよ」またシモンズは、正真正銘のスターの不在が現在の音楽業界の不振を招いていると話す。

ヒップホップのルーツは60年代にさかのぼるとジーンは話す。「『ワイルド・シング』なんかがいい例さ。『ワイルド・シングス、彼女は僕のハートを歌わせる、彼女はすべての…』メロディはなくとも、あれはあれでクールだ。あとナポレオン・XIVの『奴らが僕をさらいにやってくる!』っていうやつもそうだ。でもあれがヒットしたのは、ただ物珍しかったからだよ。ディッキー・グッドマンの『ミスター・ジョーズ』もね。本物の音楽はやっぱり歌詞とメロディがあってこそなんだよ。ロックに限らず、ラップでもドゥーワップでもそれは同じさ」

「俺に言わせれば、ロックは死んだも同然さ」彼はそう話す。「いい若手バンドがいないからな。フー・ファイターズは好きだけど、彼らだってキャリア20年のベテランだしな。ニルヴァーナやパール・ジャムだって、もう昔のバンドなんだよ」


しかし、現在の音楽シーンを完全に悲観しているわけではないとシモンズは話す。「個人的に好きなアーティストはいるよ。レディ・ガガはすごく才能があると思う。いいバックバンドやポールダンサーとかと一緒に、彼女がディスコ・トラックを歌うところを見てみたいね。彼女はいい曲を書くし楽器も弾けるし、何より歌がうまい。まさに一流のエンターテイナーだと思う。彼女ならクイーンみたいな曲でも歌いこなすことができるはずさ。マドンナじゃダメだけどね」

Translation by Masaaki Yoshida

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE