ニルヴァーナ『ネヴァーマインド』リリースから25年:ベーシスト、クリスが見る91年と現在




ニルヴァーナに対してみんな、音楽的に何か新しいものを期待してた。1991年っていうと、『ネヴァーマインド』がリリースされるまでにナンバー1を獲得したロックアルバムは、一枚もなかった。だからロックは死んだのか?って雰囲気だったんだ。でもロックは死んでなかった。グランジとかオルタナティヴ・ロック、ヘヴィメタル、ハードロック、パンク、アート・ロックが混ざって生まれ変わっただけ。全部が組み合わさって、違うサウンドがたくさん誕生したんだ。それでもって、(人々が)新しい感じ方や捉え方をする時代だった。今って同じようなことを期待できる時代なんじゃないかな。

もしかしたら俺たちは、音楽じゃなくて政治にそんな変化を求めてるのかもしれない。"国民がトランプやサンダースを支持するのはどうしてなのか?"って問いかけてみなよ。党派心の毒に負けないで一歩下がったところで物事を考えると、思ってる以上にみんなに共通点があるんじゃないかな。



今が1991年と違うのは、情報がすぐ手に入って物事を知ることができること。これから発見される新しいサウンドもまだ存在してる。ラジオとかテレビで音楽情報を知る必要はなくなったよね。でも『ネヴァーマインド』が大ヒットしたのはMTVのおかげだった。『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』をヘビロテで流してくれたんだ。でも今は違う世界。昔は(メディアが)プッシュしまくってたわけだけど、今はアーティストがみんなの関心を引こうとするわけだから。それからニルヴァーナが今も人々を惹きつけてることは、興味深い。

俺たちがインターネットの時代到来前の最後のバンドだって言う人がいる。俺たちは企業の力を借りてプッシュされて全てを変えたわけだけど、あの頃は変化の兆候ってのがあった。みんな新しいものを受け入れる準備ができてた。こういうことが、今の政治に必要なんじゃないかと思うんだ。何かプラスになることが流行るんじゃないかな」



Translation by Miori Aien

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