プリンスの初主演映画『パープル・レイン』はなぜ傑作なのか

公開から32年近く経ち、映画『パープル・レイン』は区別され、注意深く見ないという選択をするならば、サウンドトラックと切り離して、起伏に富んだ演技を無視して、女性蔑視的な視点を笑ったり激怒したりして、片づけられてしまわれがちなように思える。しかし、それらの要素がすべて合わさり、私たちが今も目にしている、プリンスのアーティスト性(そしてイメージ)の不朽の証となっているのだ。ミネアポリスのナイトクラブ"ファースト・アベニュー"の観客を捉えるための、ボブ・フォッシーのようなアプローチによって、マグノーリ監督はMTVの美学を効果的に盛り込むことができなかったが、時に現実より過酷な、アートと人生が交差する苦悩の描写を通して、80年代のもっとも重要なアーティストのひとりを導いていた。モーリス・デイが征服した女性をゴミのように捨てるシーンのたびに、ザ・キッドがロックスターになるという野心と厄介なままならない現実を両立させようともがく理由を控えめに説明する会話がある。



Translation by Naoko Nozawa

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