プリンス、80年代以降の隠れた名曲15選


『Chelsea Rodgers』

Photo by Dave M. Benett/Getty Images



アルバム『プラネット・アース~地球の神秘~』(2007)より


プリンスの32枚目のアルバム『プラネット・アース地球の神秘~』(イギリスのメール・オンサンデー紙の付録としてCDでリリースされた)の『Chelsea Rodgers』は、曲のミューズについての様々な憶測を呼んだ。シーラ・Eとの隠し子だろうか?それとも多くの華やかなプリンス信奉者の一人だろうか?結局分かったのは、あるモデルの名前(ロジャー姓はプリンスの本名と同じ)が曲に付けられたということだった。“レザーシートのようなお尻”の女性だ。チェルシー・ロジャーを賛美したこの曲は、ディスコ調のみずみずしいベースライン、ゴスペルヴォーカル、サイケデリック調のシンセサイザーで構成され、熱狂的な金管楽器をアクセントに、21世紀で最もファンキーなプリンスの作品となった





『Black Sweat』

Photo by Lester Cohen/WireImage



アルバム『3121』(2006)より


タイトルの"3121"という数字は、プリンスの31枚目のスタジオ・アルバム(リリース日は3月21日)を意味しているのかもしれないし、BET(アフリカ系アメリカ人向けのケーブルテレビチャンネル)の番組観覧者には、旧約聖書の詩篇31:21だと伝えられたそうだ。タイトルの出所は謎だが、『Black Sweat』は明らかにアルバムのハイライトだ。曲中の音を入れない間の取り方や、深く官能的なところがプリンスの名曲『KISS』を彷彿とさせる。1980年代のプリンスの最高に格好いいグルーヴの時代は終わり、彼は、Gファンクやザ・ネプチューンズの曲に多用されていた高周波音やかん高い音を使うようになった。そして曲中の恋人に、“白人の女のように悲鳴を上げさせてみせる”と約束している。この曲のお陰で、『3121』はビルボード総合アルバムチャートの初登場1位を獲得した。驚くべきことに、プリンスにとって初登場の1位は今回が初めてだった。





『The Marrying Kind』

Photo by Frank Micelotta/Getty Images



アルバム『ミュージコロジー』(2004)より



『ミュージコロジー』はプリンスの28枚目のスタジオ・アルバムで、プリンスのロックの殿堂入りが発表された日にリリースされた。この宝石のようなアルバムには、素晴らしい管楽器の演奏が詰まっている。キャンディ・ダルファー(サックス)、グレッグ・ボイヤー(トロンボーン)、長くジェームス・ブラウンのバックバンドに参加していたメイシオ・パーカー(サックス)だ。しかし、ドラマーのジョン・ブラックウェルのガタガタと踏み鳴らすバックビートに刺激されたプリンスはエピック・ギターをかき鳴らし、マーズ・ヴォルタのようなバンドでさえも挑戦したことのないような速弾きに挑み、プログレッシブ・ロックの変形バージョンのような曲に一気に仕上げた。


Translation by Cho Satoko

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