ガンズ・アンド・ローゼズ vs ニルヴァーナ:オルタナティヴ時代のロック・カルチャー戦争の終焉




1992年:アクセル、カートとコートニーを「いかれたジャンキー」呼ばわり

ついに、カートの口撃がアクセルを捉えた。アクセルは、いつものようにステージ上で、コートニー・ラブのドラッグ使用が原因で娘のフランシス・ビーン・コバーンが生まれながらにして欠陥を抱えているという噂を引き合いに出し、カートを口撃した。手始めにカートを「俗物」と呼ぶと、アクセルは「オルタナティヴ」という言葉を、「俺にとって、カート・コバーンとかニルヴァーナみたいなヤツを指すだけの言葉だ。ヤツらはただのいかれたジャンキーで、女房もいかれたジャンキーだ。もし、生まれた子どもが奇形だったら、ふたりともムショにぶち込むべきだ。俺はそう思ってるよ」と言って揶揄した。






1992年9月:MTVビデオ・ミュージック・アワードで修羅場

両チームの確執は、1992年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでついに頂点に達した。バックステージで、アクセルと恋人(モデルのステファニー・シーモア)が、生後間もない娘を抱いて座っているカートとコートニーの傍を通り過ぎようとしたとき、コートニーがアクセルに、娘のゴッド・ファーザー(後見人)になってくれと言って絡んだのだ。アクセルはカートに「そのクソ女を黙らせろ、さもないとお前らを外に放り出すぞ!」と怒鳴った。するとカートは、信じがたいことに、コートニーに向かって「黙れ、クソ女!」と嫌味たっぷりに叫んだ(両チームのベース、ダフ・マッケイガンとクリス・ノヴォセリックも、バックステージで"不躾な言葉"を交わしている)。ニルヴァーナが『リチウム』の演奏を終えた後、ドラムのデイヴ・グロールはマイクに向かって「ハーイ、アクセル!」と繰り返し、アクセルをさらに刺激した。

Translation by Naoko Nozawa

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