ミック・ジャガーのファッション哲学

「ステージから離れている間は、舞台上での人格を脱ぎ捨て、ゆっくりリラックスして自然体でいたいんだ」彼は舞台に上がっている時と、プライベートのファッション・センスの違いについて話した。「コスチュームはステージでパフォーマーになりきるのに役立つけど、それを脱いだ時に、現実に戻る手助けにもなるんだ」





ジャガーは、舞台の装置などを考慮に入れた実際的な視点で、コスチュームを決めることが多いと言う。「大掛かりなステージでは、舞台にさまざまな部材が使われているんだ。木だったり、金属だったり、階段がついていたり。そんな中で上手くパフォーマンスをこなさなくちゃいけない。それにちょっと濡れていたり、滑りやすかったりすることもあるんだよ。だから靴は特に実用的なものでないと。俺はいつもステージで使えるスニーカーを探すようにしているよ。足首をくじいたりしないようにね」




1973年11月、ウェンブリーアリーナにて。 ジョージア・メイ・ジャガーがピンク色のサテン地の燕尾服を着ている様子。(courtesy of the Rolling Stones archive. Willy Vanderperre)





さらにジャガーは、60年代に着ていたタイトなスパンコール・ジャンプスーツなど、彼の最も象徴的なスタイルについての話も披露している。「オジー・クラークのジャンプスーツを着ていると、ほとんど何も身に着けていないような感じだったよ」彼は当時を振り返った。「すごくセクシーで体にピッタリしているのに、とても動きやすいんだ。オジーはオフステージ用にもジャンプスーツを作ってくれたから、(前妻の)ビアンカと旅行する時にもそれを着ていたよ。空港で二人ともオジーのワンピースだったこともあったな」



もし彼が何かに批判的であるとすれば、最近人々があまりファッションを楽しんでいないことだろう。「以前のようにドレスアップする人が少なくなったよね。昔は劇場に出掛ける時は、誰もが着飾っていたのに。それがすごく寂しいわけじゃないけど、劇場で短パンにサンダル姿の男なんて見たくないよな?」

Translation by Aki Urushihara

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