いわゆる「チル・ウェイヴ」と呼ばれるジャンルにおいて、その代名詞的存在ともいえるユニットのファースト・フル。アニコレを手掛けたベン・アレンのプロデュースでスタジオ録音された本作は、「アンビエント色の強い幻想エレポップ」という基本路線は固持しているものの、しっかりとした音響設計によってボトムの補強がはかられており、実に安定した「揺らぎ」に満ちている。デビュー時の独特のノスタルジックな「儚さ」は少し薄れたけれど、堅実な音楽的進化を遂げた作品といえるだろう。

RECOMMENDEDおすすめの記事


MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE