ドナルド・フェイゲン、偏執的右翼とスティーリー・ダンの未来について語る

ーそのユーモアのセンスは誰から受け継いだのでしょう?

叔父のデイヴは実に面白かったね。彼はぶかぶかのステットソン帽とピンクの羊毛のカウボーイ・ズボン(チャップ)を履いて、自分のレストランのTVコマーシャルに出ていたよ。

ー11歳くらいのときにロックからジャズへ宗旨替えしたとか。成長期の頃の音楽的なヒーローは誰でしたか?

僕は真性のジャズ・スノッブだったね。アルフレッド・ライオンは、演奏者たちにファンキーなブルース風クリシェを載せるように奨励してたから、ブルー・ノート・レコードには近づかなかったな。好きだったのは、マイルス、コルトレーン、ロリンズ、ミンガス、そしてモンクだ。私には優れた審美眼があったのだよ。今では他のみんなと同じ、クソみたいなのになっちゃったけどね。

ー今でも心が動く音楽は?

バード(チャーリー・パーカー)、ロリンズ、エリントン、ストラヴィンスキー。

ー最近購入したかダウンロードしたアルバムはありますか?買った理由は?

『The Vintage Recordings of Cliff Edwards』だ。彼は素晴らしいからね。クリフ・エドワーズ、別名、ウクレレ・アイクは恐るべきジャズ・シンガーだよ。彼は20年代から30年代にかけてビッグ・スターだったが、40年代のディズニーの映画『ピノキオ』(1940年)のジミニー・クリケットの声優としての方が馴染みがあるんじゃないかな。彼はそれで『星に願いを』を歌った。彼には、彼自身が"イーフィン"と名付けたクールなスキャットのやり方もあるね。彼は最初、金持ちになったが、その金はすべて、車とクスリとコーラス・ガールに消えてしまった。

ー子供の頃に読んだSF小説があなた自身、そしてあなたの世界観にもたらしたものは?SFで特に好きな作品は何ですか?

昔のSFは、未来をイメージすることで現在を皮肉ったものがたくさんあったね。アルフレッド・ベスター、フレドリック・ブラウン、シリル・コーンブルース、ウィリアム・テンとか、みんな面白い人たちでね、好きだったよ。このテーマの話は僕が書いた本、『ヒップの極意 EMINENT HIPSTERS』に詳しく書いてあるよ。

Translation by Kise Imai

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