プリンス、90年代のメインギターのひとつ「イエロー・クラウド」が13万7500ドルで落札

プリンスが90年代に愛用した「イエロー・クラウド」ギター、13万7500ドルで落札 (photo by Kevin Mazur / Getty Images)

ヘリテージ・オークションズ主催のイベントにて、プリンスのギターは13万7500ドル、デヴィッド・ボウイの髪束は約1万9000ドルで落札。

先週土曜に開催されたヘリテージ・オークションズ主催のイベントにて、プリンスのトレードマークである「イエロー・クラウド」ギターが、13万7500ドルで落札された。鮮やかな黄色のボディ、ゴールドカラーで統一されたノブとトレモロアームとペグが目を引く、ミネアポリスに拠点を置くKnut-Koupee Enterprises社が製造したカスタムギターは、インディアナポリス・コルツのオーナーであり、熱心なコレクターとして知られるジム・アーセイによって落札された。また本イベントでは、デヴィッド・ボウイの髪束が1万8750ドルで落札された。

過去にプリンスのギター・テクニシャンを務めたジーク・クラークによる証明書にはこう記されている。「このギターは1988年から1994年にかけ、ミュージックビデオの撮影、ツアー、そしてレコーディングにおいて、プリンスのメインギターとして使用されました」

その解説文はこう続く。「1994年、プリンスがフランスでのテレビ番組に出演した際に、このギターのネック部を破壊したことは広く知られています。プリンスの帰国後、私がその修復を担当した際に、フロイド・ローズのビブラート・ユニットが新たに搭載されました。後年にシンボル・ギターにその座を譲るまで、このギターはプリンスのメインギターとして、数多くのレコーディングに使用されました。シンボル・ギターの誕生後、プリンスの要望により24本のクラウド・ギターが新たに製造され、彼の直営店で販売されました」ヘリテージ・オークションズは、破壊されたネック部は「熟練の職人の手により修復」されたとしている。

熱心な音楽ファンであり、マニア垂涎のコレクターアイテムを多数所有していることで知られるアーセイ氏は、リンゴ・スターが愛用したラディック社の1963年製3ピースドラムキット「オイスター・ブラック・パール」を、昨年12月に220万ドルで落札している。また同オークションに出品された、『ホワイト・アルバム』制作時にジョン・レノンがリンゴ・スターに譲ったとされるリッケンバッカー社のギターにも、アーセイ氏はかなりの額を入札していた。

「音楽の歴史を形作ってきた楽器を、良い状態で後世に残していきたい」昨年12月のローリングストーン誌のインタビューで、アーセイ氏は自身のコレクションについてそう述べている。アーセイ氏のコレクションには、ボブ・ディランが1965年のニューポート・フォーク・フェスティバル出演時に使用したギターや、ジョン・レノンが『ペイパーバック・ライター』のレコーディングに使用したグレッチ社のギター、そしてレス・ポールの伝説的ギター『ブラック・ビューティ』等が含まれる。アーセイ氏はこう語る。「自身のコレクションをとても誇りに思っているよ」

ヘリテージ・オークションズが主催するMusic Memorabilia Signature Auction Friday and Saturdayでは、他にもデヴィッド・ボウイの髪束、ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンのサインが施された未使用のフェンダー社製ギター、ホイットニー・ヒューストンの2006年時の運転免許証などが落札された。ヒューストンが1986年に受賞したエミー賞のトロフィーも出品される予定だったが、連邦裁判所の通告を受け、オークションは直前に中止された。

Translation by Masaaki Yoshida

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