2016年上半期のベストEDM、エレクトロニック、ダンスアルバムを一挙紹介

フルームの新作アルバム『スキン』はその年のビートを形作り、前作『フルーム』を超える仕上がりになっている。(Photo by Kieran Frost/Redferns)


ノルウェーの音楽家たちがカリビアン・サウンドを流用したのとほぼ同じ方法で、プロデューサーたちは新しい音色や特色を探すために大陸を飛び越えている。ハイチ生まれでモントリオール育ちのプロデューサー、ケイトラナダのアルバム『99.9%』は、モダンなR&Bやフューチャーベース、ヒップホップを取り入れているが、楽曲『ライトスポッツ』でトリッキーなブラジリアン・ナンバー(ガルゴスタの『ポントス・ヂ・ルス』のサンプリング)を刻むときに、巧みなフリップが現れる。また英国やアフリカ・クラブシーンのサブジャンルであり、米国のポップ・ミュージックとアフリカン・ハウスを受け継ぐ『アフロビート』として知られるサウンドは、ドレイクがナイジェリアのラッパー、ウィズ・キッドとチームを組んだ楽曲『ワン・ダンス』を米国音楽チャートに持ち込んだときに勢いをつけた。

デトロイト出身のシンガーソングライター、マイク・ポズナーが、彼の家の裏庭でハウスミュージックを始めたとき、シングル『アイ・トゥック・ア・ピル・イン・イビザ』の大ヒットによりはるばる地中海まで旅しなければならなかったことに意味はない。今年はモーター・シティの創始者やミュージシャンらの、今だ目まぐるしい活躍ぶりを耳にする。彼らの間の55年以上もの経験から、デトロイト・テクノの創始者たちによる伝説のユニット『ベルヴィル・スリー』の一人ホアン・アトキンスは、ベルリン・テクノのドン、モーリッツ・フォン・オズワルドとチームを組み、彼らのコラボレーション・プロジェクト『ボーダーランド』からダブテクノの魅力に深く迫る新作アルバム『トランスポート』を制作した。またアンダーグラウンド・レジスタンスの元メンバーであるロバート・フットは娘のリリックと組み、フロアプラン名義でのアルバム『ビクトリアス』で、ダンスミュージックの恍惚としたゴスペルに根ざしたイメージを実現した。デトロイトの音楽シーンで比べるとカイル・ホールは相対的に新顔だとしても、彼のアルバム『フロム・ジョイ』は頭を上下に振るような曲調からジャズのコードへと自然に移行し、シカゴのストリートで足を激しく動かすダンス、『フットワーク』に感化されたトリッキーなトラックへと流れ着く。またシカゴでは、ハウスの先駆者ラリー・ハードが幻想的なEP『Qwazars』と共に私たちの前に舞い戻り、そしてサン・ラに世話になったアフリカンズ・ウィズ・メインフレイムズのアルバム『K.M.T.』は、激しいアシッド・ラインを経由して古代エジプトの時代を振り返った。

Translation by Yuka Ueki

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