映画『ターザン:REBORN』:『ハリー・ポッター』シリーズ監督が贈る新しいストーリー

『ターザン:REBORN』のサミュエル・L・ジャクソン(左)とアレクサンダー・スカルスガルド(右)Photo by Jonathan Olley

エドガー・ライス・バローズ原作の名作ヒーロー映画の最新作で、ジャングルの王が再び動き出す。


『ターザン』の新作映画については賛否両論あるだろうが、究極の精神と肉体を再現したアレクサンダー・スカルスガルドの好演は認めざるを得ない。腰巻の代わりにズボンを履いた彼はツタを渡りジャングルを巡るが、ジェーン(健康的なお色気のマーゴット・ロビー)に会う以外にも気がかりなことがたくさんあるのだ。『ターザン:REBORN』には、動物と人間、探検と開発、原始と文明といった、大きな問題が詰め込まれている。1本の映画で扱うには重すぎるテーマだし、特に本作は荷が重すぎて崩壊寸前だ。しかし、映画『ハリー・ポッター』シリーズの最後の4作を監督したデヴィッド・イェーツが野心を抱いたとしても責めることはできない。

アダム・コーザッドとクレイグ・ブリュワーによる脚本は、これでもかとエピソードを詰め込む。最初に登場する時点で、ターザンはターザンではない。――彼は、第5代グレイストーク伯爵のジョン・クレイトン3世。マニキュアを塗った爪の先まで、立派な1880年代の英国紳士だ。回想シーンで、アフリカでゴリラに育てられた孤児という彼の過去に触れられる。しかし、イェーツが私たちにまず見せるのは、ターザンとしての過去を10年間封印し、今はジェーンと結婚して身を固めた、上品な貴族だ。さて、ここからが本番だ。ベルギー王の特使、レオン・ロム(悪役をやらせたらピカイチのクリストフ・ヴァルツ)が、彼を騙して人道的任務でコンゴへ帰らせる。ジェーンも同行し、そこに、奴隷売買、ダイヤ窃盗、さらにターザンへの復讐計画に関与していることを臭わせる元アメリカ軍兵士のジョージ・ワシントン・ウィリアムズ(サミュエル・L・ジャクソン)も加わる。

Translation by Naoko Nozawa

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