ポケモンGOの成功を探る:ライバルとなる類似ゲームは現れるのか?

ポケモンGOは、位置情報を利用したゲームに対する需要を掘り起こすことに成功した。しかし、過去に存在した同様のコンセプトのゲームとは大きく異なる。2009年初頭Booyah社(現在は存在しない)は、シンプルな位置情報連動型ソーシャルアプリ『MyTown』をリリースした。プレーヤーは施設に"チェックイン"し、ゲーム専用のキャッシュや経験ポイントを獲得する。さらに施設に投資したり家賃収入を得たりして進めるゲームだった。2011年、Red Robot Labs社も同様のアプローチの大規模マルチプレーヤーオンラインゲーム『犯罪人生ライフイズクライム(Life Is Crime)』を開発した。こちらも位置情報を利用したモバイルゲームだが、コーヒーショップや銀行など実際の施設でミッションをこなすものだった。どちらのゲームもピーク時には数万人のユーザーを集め、そこそこ成功を収めた。しかし、プレーヤーの期待を(良い意味で)裏切ったり、ゲーム開発者たちの常識を覆す程ではなかった。

「ポケモンGOや他の多くのゲームの基礎となるゲームエンジンの開発というのは、容易なものではない」と、Red Robot Labs社の創設者ピート・ホーリー氏は語る。「ただ位置情報を読み取って処理すればよい、というものではなく、手間も費用もかかる。そしてこれはアップル社のサービスでもなければ、Unity(モバイルゲーム向けゲームエンジン)でもないオリジナルのゲームエンジンである。コストを抑えながらゲームエンジンの開発を進めるのはとても難しいので、ポケモンGOのレプリカが出てくることはないだろう」と、ホーリー氏は主張している。

ホーリー氏によると、本気でポケモンGOクローンを作ろうとしたら、それなりの規模になる覚悟が必要だという。「プレーヤー同士の何らかのコミュニケーションを必要とするゲームには、多数のアクティブユーザーが集まるコミュニティを形成しなければならない。1日2000万人のアクティブユーザーが存在すれば、他ユーザーとのコミュニケーションは簡単に取れる。しかしウィニペグでユーザー数がたった一人だったら、そのプレーヤーはいったいどうゲームを楽しんだらいい? そんなプレーヤーを引き留めておく方法はあると思うか?」

ポケモンGOを開発したナイアンティック社(Niantic)は、様々な量的リソースと必要な技術を十分に得ることができる有利な立場にあった。特に絶大な人気を誇るポケモンを扱うポケモン社との関係は強力で、リアルな世界でモンスターをハンティングして歩くというアイディアがポケモンのコンセプトとぴったりフィットした。

Translation by Smokva Tokyo

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