エイミー・ワインハウス:知られざる偉大な未発表曲10選

Photo by Rob Verhorst/Redferns





『Jazz n’ Blues』
『Money (No More Jazz n’ Blues)』としても知られるスローなナンバー『Jazz n’ Blues』は、最も古いエイミーの楽曲である可能性が非常に高い。同曲は、『フランク』がリリースされた2年前の2001年に、エドワード・ビグハムとコラボレーションして作られたと言われている。まばらな楽器演奏をバックに、エイミーが「お金を浪費する」「鞄と靴に全てのお金を無駄遣いする」と欲望を歌うこの曲は、完成した一曲というよりは、むしろ煮詰まっていないアイデア作品のように聞こえる。またこのテーマは、『Trilby』でも再び扱われている。エイミーのヴォーカルは、後の楽曲で見られる独特な言い回しやパワーに欠けているものの、歌姫として独自のスタイルを築き上げていく様子を伺うことができる。そして曲名が示すように、ジャズとブルースという彼女が愛した2つのジャンルが、この初期の作品を支配している。



『Beat the Point to Death』
R&Bシンガーとして世界的な称賛を浴びる運命であったエイミーだが、彼女にとって初めてのスタジオ収録は、90年代半ばに友人のジュリエット・アシュビーと組んでいたヒップホップデュオSweet'n'Sourとして行ったものだった。二人はわずか10歳の時にグループを結成し、メロディーと歌詞を自分たちで作っていたという。Sweet'n'Sourは『Glam Chicks』『Spinderella』(Salt N PepaのDJの名前)『Boys・・・Who Needs Them』という3曲のオリジナル曲をレコーディングしている。

「Sweet'n'Sourは、彼女たちバージョンのSalt N Pepaをやっていたから良かったんです」。Sweet ’n’ Sourのスタジオ音源を聴く機会があった『AMY エイミー』のカパディア監督は、こう話している。「もちろんエイミーが、(スウィートとサワーだと)サワー担当(笑)。でも、彼女たちはとても真剣でした。音楽を聞かせてくれた時、彼女たちが笑うのを待っていましたが、そんなことは起こりませんでした。これは真面目なもので、彼女たちはとても真剣でした」

エイミーの後の歌詞のテーマを考えると、『Boys・・・Who Needs Them』は特に魅力的だ。「男の子たちは私たちを放っておく/家には誰もいない」。2分30秒のこの曲で、エイミーとジュリエットがこう歌っている。「彼らは私たちを犬のように乱暴に扱うの」。残念ながら、カパディア監督が同曲をドキュメンタリー映画で使う権利を手に入れることは叶わず、またSweet'n'Sourの3曲はお蔵入りしたままだ。90年代、そしてエリカ・バドゥとローリン・ヒルの影響を大いに受けたR&Bナンバー『Beat the Point to Death』は、この頃のエイミーの音楽に最も近いと言えるだろう。そしてこの曲も未発表曲の一つだ。

Translation by Miori Aien

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