50年代のエルヴィスのギタリストについて、その熱狂的なファンの1人であるリチャーズが思い出を語った
60年代に多感な年頃だった、英国の偉大なロック・ギタリストたちは、誰もがブルースへの深い愛情を抱いていた。しかし、『監獄ロック』や『ハートブレイク・ホテル』など、あの時代を決定づけたクラシック時代のエルヴィスの右腕として活躍したスコティ・ムーアから、同じような大きな影響を受けた者もいた。その代表であるキース・リチャーズは、『ライフ キース・リチャーズ自伝』で、スコティ・ムーアは自分のアイコンだと書いている。先日、84歳でムーアが他界したことを受けて、キース・リチャーズはその若き日のアイドルのことを、ローリングストーン誌に語ってくれた。
エルヴィスは、スコティ・ムーアの存在なくしてエルヴィスではいられなかっただろう。子供の頃、BBCの放送が終了した後、別のラジオ局の番組が聴こえてきていた。ラジオ・ルクセンブルグって名前の局だった。電波の状態がひどくてね、ラジオを持って部屋中歩き回ったよ。それが『ハートブレイク・ホテル』との出会いさ。俺はフォークのほうをうろついていて、アコースティック・ギターを弾いていたんだ。だが、その時、エレクトリックを弾きたいって気づいたのさ。