ドナルド・トランプ、ヒラリー暗殺を示唆する問題発言でテロを扇動

「もしヒラリー・クリントン氏が判事を指名する立場になったら、我々には為す術がなくなる。(武器携帯の権利を定めた)憲法修正第2条を擁護する人々には、それを止める手段があるかもしれない。私にはよくわからないが」と、トランプ氏は発言した(2016年8月9日)。Photo by Darren Hauck/Getty Images

大統領選の共和党候補ドナルド・トランプは、憲法修正第2条擁護派の人々やヒラリー・クリントンへ向けた発言により、暗示的にテロ行為を扇動している。

2016年8月8日(米現地時間)、ドナルド・トランプは共和党の基本経済政策について予め用意したプロンプターを棒読みし、選挙活動の"再起動"図ったが、その翌日、これまでにないほど酷く危険な言葉をアドリブで発した。選挙活動中にトランプは他にも、ジョン・マケインの戦争捕虜経験を批判し、メキシコ人をレイプ犯呼ばわりし、イスラム教徒を国から締め出すと発言し、ゴールドスター・ファミリー(名誉戦傷勲章受章者の家族)を批判したり、ロシアに対し大統領選のライバル(クリントン)へのハッキングを促したりと、数々の問題発言を放ってきた。

8月8日、ノースカロライナ州ウィルミントンで行った演説でトランプは、最高裁をはじめとする判事をヒラリー・クリントンが指名することに対する憂慮の意を表明した。「もしヒラリー・クリントン氏が判事を指名する立場になったら、我々には為す術がなくなる。(武器携帯の権利を定めた)憲法修正第2条を擁護する人々には、それを止める手段があるかもしれない。私にはよくわからないが」。

よく考えてみて欲しい。2大政党のひとつの大統領候補者が、憲法修正第2条擁護派に対し、政敵への"行動"を促しているのである。トランプ陣営の選挙対策チームによると、(発言は)憲法修正第2条を擁護する人々に政治的な結束を呼びかけたものである、としている。一方でクリントン陣営や、ネット上の声はそれとは異なる解釈をしている。つまりトランプ氏の発言は明らかに「政敵に対する暴力を示唆している」と見ている。

Translation by Smokva Tokyo

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