ジミ・ヘンドリックスが率いた、バンド・オブ・ジプシーズの初ライブ音源を聴く

Photo by David Redfern/Redferns

ショーのオープニングを飾った『パワー・オブ・ソウル』は、今秋発売予定の『マシン・ガン:ザ・フィルモア・イースト・ファースト・ショウ 12/31/69』に収録される。

ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの解散、そしてウッドストックでの伝説的なパフォーマンス等、1969年はヘンドリックスにとって激動の1年だった。そして同年の大晦日には、ニューヨークのフィルモア・イーストにて、バンド・オブ・ジプシーズとして初のライブを行った。その翌日に開催された2公演の一部はライブアルバム『バンド・オブ・ジプシーズ』に収録されているが、大晦日に行われた2度の公演時の音源はこれまで未発表となっていた。ベーシストのビリー・コックスとドラマーのバディ・マイルスと組んだ同バンドは短命に終わったが、その初ライブの音源を収録した『マシン・ガン:ザ・フィルモア・イースト・ファースト・ショウ 12/31/69』が、9月30日に発表されることになった。

その発売に先がけ、ショーのオープニングを飾った『パワー・オブ・ソウル』が公開された。同曲はヘンドリックスによるブルージーなギターで幕を開け、強力なリズム・セクションと共にスムーズなグルーヴを生み出していく。ヘンドリックスのトレードマークであるテクニカルなギターと表情豊かなソロ、ポエトリー・リーディングを思わせる歌、そして「魂の力はあらゆることを可能にする」というバンドメンバーとのコーラスを特徴とする同曲は、ライブからわずか1カ月後に解散してしまうバンドが秘めていた大きな可能性を示している。

「既発の曲は演奏しないと決めていたんだ」コックスは同コンサートについてそう語っている。「あのメンバーで何か新しいことに挑戦したかった。そういうポジティブでクリエイティブなムードが、バンド・オブ・ジプシーズの音楽を形作っていったんだ」

Translation by Masaaki Yoshida

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE