カルト犯罪者、チャールズ・マンソンをよく知るための10の方法



『60年代の過ぎた朝 ジョーン・ディディオン集』
ジョーン・ディディオンは1979年のエッセイ『60年代の過ぎた朝 ジョーン・ディディオン集(原題:The White Album)』で、一連のマンソンの事件が社会に与えた影響を実に鋭く描写している。彼女は、(シャロン・テート殺人事件の発生した)1969年8月9日をひとつの時代の終わりだったと断言し、その後カリフォルニア中に蔓延し続けた不安感について慎重に分析した。受賞歴のあるこのエッセイのハイライトは、マンソンとマンソン・ファミリーに不利な証言を行ったことで有名なリンダ・カサビアンとの刑務所での面会の一節だろう。ディディオンは、証言台に立つカサビアンのためにビバリーヒルズでドレスを選んであげたことを述懐している。かつてマンソン・ファミリーの一員だったカサビアンは、エメラルドグリーンのベルベット生地のショートドレスをリクエストした。それは被告側弁護人のヴィンセント・ブリオシが、「白のロングドレスは避けた方がよい」とアドバイスしたためだった。カサビアンはその間ずっと、発生から数カ月間ロサンゼルス郡一帯を恐怖に陥れた恐ろしい事件に関する証言をまとめていた。


Photo by Michael Kovac Getty Images for Lifetime

テレビ番組『Manson’s Lost Girls』(Lifetime)
米ケーブル&衛星局のLifetimeが制作したテレビ映画。雰囲気は1969年というより2016年に近いが、エマ・クラインが『The Girls』を書く際のヒントにしたのと同じマンソン・ファミリーの非現実性が描かれている。物語はリンダ・カサビアンの目を通して進行する。カサビアンは自身が不幸な境遇にある時、ファミリーと出会い、仲間に入った。彼女はその後、最初の殺人の直前にマンソン・ファミリーから離脱した。パーティ・シーンは、花冠をつけた参加者が集うコーチェラ・フェスティバルのような感じだが、家を飛び出して“チャーリー”と呼ばれる男と行動を共にするようになる、当時の興奮と冒険心や畏敬の念を上手く表現している。リンダ・カサビアンやその他の少女たちはドラッグによる興奮状態や怖いものなしの感覚のせいで、サイコパス(マンソン)に魅了されてしまったが、後に彼との出会いを後悔することとなる。

Translation by Smokva Tokyo

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