新しい世代にザ・ビートルズを伝えるテレビアニメ『ビートバグズ』

エディ・ヴェダー、シーア、ジェームズ・コーデンらがファブ・フォーの名曲をカヴァー、新しい世代にビートルズの音楽を伝えるテレビアニメ『ビートバグズ』が誕生するまで

Netflixのアニメ番組が、ファブ・フォーのバック・カタログを使って子どもたちに人生の教訓と音楽の素晴らしさを教える。

杖とシルクハットを持ったバッタのジャスパー。プラスチックの箱に捕らえられているが、これはチャンスだと思っている。「この豪華なパノラマカーに飛び乗るんだ」と、外から彼を見つめ返している5匹の小さな虫に語りかける。「目を見張るようなマジカル・ミステリー・ツアーに出発だ!」 興味をそそられたこの小さな生き物は、Netflixの子ども向けアニメの新シリーズ『ビートバグズ』のスターたち。――さあ、出発だ!

祖父母世代なら、ジャスパーがミュージカル『ザ・ミュージック・マン』の詐欺師に違いないと気づくだろう。親世代なら、ジャスパーが『マジカル・ミステリー・ツアー』を歌うのを聴いて、エディ・ヴェダーの声だと気づくだろう。そして何より重要なのは、子どもたちがビートルズの音楽を体験しながらジャスパーと仲間たちと一緒に冒険の旅をすることだ。パパもママも、おじいちゃんもおばあちゃんも思いもしなかった方法で。

「明確なビジョンがあるアイデアでした」と、Netflixの最高コンテンツ責任者テッド・サランドスは話す。「音楽を通じてコミュニティと自我を学ぶ2~5歳児を対象にした番組で、ビートルズの曲とはすぐには結び付きそうもないですが、ジョシュ・ウェイクリーは実に巧みにまとめていました」

『ペニー・レイン(Penny Lane)』『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(Lucy in the Sky With Diamonds)』『マジカル・ミステリー・ツアー(Magical Mystery Tour)』などのビートルズの曲をアニメで使用する権利を獲得した3年前、ウェイクリーはオーストラリアの無名の脚本家兼プロデューサーだった。各話11分の『ビートバグズ』のストーリーは、大まかにはファブ・フォーのシングル曲の歌詞に基づいている。「錬金術のようなものでした」――先に思いついたのは曲なのかアニメシリーズのコンセプトなのかという質問に、彼は答えた。「車の中で『愛こそはすべて(All You Need Is Love)』を聴いた時、メロディ的に完璧な曲だと思ったんです。曲に込められた愛のメッセージに、若い親として共感しました。これは子どもたちに伝えたいメッセージだと」。


Translation by Naoko Nozawa

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