YouTube vs 米音楽業界:争いの内幕

ベック、テイラー・スウィフト、カレブ・フォロウィル(キングス・オブ・レオン)などの有名アーティストは、YouTube上で配信される音楽作品の規制を求めて米議会へ嘆願書を提出した。RollingStone

ネットの動画配信ビジネスはアーティストを潤わせてきたはず。ではなぜ、テイラー・スウィフトをはじめとするアーティストたちは離れていくのだろうか? 

2015年、Deadmau5(デッドマウス)は、自身の代理人であるディナ・ラポルト弁護士へ「YouTubeのこれ、なんとかしてくれ」とSkypeでメッセージを送った。その時YouTubeのとあるチャンネルには、アルバム曲、リミックス、ライブの全編を撮影したものなど、400もの動画が不正にアップされていた。「私は弁護士補佐と一緒に6時間もかけて、400件ものコンテンツ削除依頼を送りました。その後チャンネルは一旦削除されましたが、2日後にまた復活していました。これは私のクライアントにとって大問題です」と、ラポルト弁護士は述べた。

10億ユーザー以上を抱えるYouTubeは、今やネット上で最もポピュラーな音楽配信ソースとなっている。一方、テイラー・スウィフト、ポール・マッカートニー、ベック、キングス・オブ・レオンなどのアーティストにとっては頭痛のタネとなっている。彼らは米議会へ公開書簡を送り、何百万本もの動画を不正に公開しているYouTubeを規制するための法改正を要求した。「アーティスト側に選択肢はない。アーティストが好むと好まざるとにかかわらず作品が不正にYouTubeで公開されてしまっている」と、イーグルスやヴァン・ヘイレンのマネージャーも務めたアーヴィング・エイゾフは指摘する。エイゾフもまたYouTubeに対し、(1)アーティストへのロイヤリティ支払額があまりに低いこと、(2)不正コンテンツ削除の不完全性、の2点についての改善を正式に求めている。

Translation by Smokva Tokyo

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE