アンジェリーナ・ジョリー・ピットとブラッド・ピットが、往年のアートフィルムを模倣するも失敗。脚本家で監督のアンジェリーナ・ジョリーは、驚くほど無気力でどんよりとした70年代の結婚生活を描き、ヨーロッパのアート映画を模倣しようとしたが、その試みは残念ながら失敗に終わった。
ジョリーが主人公のヴァネッサ、その夫ローランド役をピットが演じている。ピット夫妻は華麗に苦しむ、とでも言うべきか。
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マルタ島の気取ったホテルで休暇を過ごすこの夫婦は、のぞき穴から隣の部屋の新婚夫婦(メラニー・ロランとメルヴィル・プポー)の生活をのぞき見する。ヴァネッサとローランドの間に会話はほとんどない。やっと話し始めたかという瞬間、観客は黙ってほしいと思うだろう。「魚の臭いがする」とヴァネッサが鼻をすすりながら言う。いや、臭うのはこの映画の方だろう。
『白い帽子の女』監督/アンジェリーナ・ジョリー・ピット
出演/ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー・ピット、メラニー・ロラン、メルビル・プポー、ニエル・アレストリュプ
配給/ビターズ・エンド
9月24日(土)シネスイッチ銀座、渋谷シネパレスほか全国順次ロードショー
http://www.shiroiboushi.jp/