レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのティム、新バンドのウォクラットについて語る

─そういった要素のすべてがこのアルバムで表現されていると思います。今回のツアーが終わったら、小規模なクラブツアーを行う予定などはありますか?

うん、確実にね。今回このツアーに参加できたのは、本当にラッキーだったと思う。俺は参加したいと願っていたんだ。ウォクラットがプロフェッツと一緒にツアーできたら最高だろうなって思っていたから、トムから依頼が来た時は言葉が出なかったよ。トムから依頼が来た時、"マジかよ。最高じゃないか。そんなの絶対やるだろ"って思った。それで、俺たちは今こうしているわけさ。

でも、俺は自分の力でやってみたい。俺たちはロンドンにあるブラック・ハートっていうクラブで演奏したことがある。ウォクラットは150人くらいの満員の会場でやったんだ。ああいう小さなショーって、演奏するのが一番きついんだよね。かなりきつかったよ。10万人の観客の前で演奏した時は、目を細めて、視界をぼやけさせるのも簡単だし、観客はただの巨大なピザの1ピースとかそんなような存在になる。全部で一個の存在みたいにね。でも、ああいう小さなクラブで演奏すると、目の前に立っているヤツを見ることになって、そいつが自分の手や目までじっと見つめてくるから、よりプライベートになる。きついよ。その上、あの歌詞だろ。

オレンジ・カウンティのオブザベートリーでロイヤル・ブラッドの前座をした時、最前列の観客を見ながら演奏するショーを経験した。最前列の何人かが俺のことを見ていたけど、彼らは俺たちの音楽を理解できていないようだった。俺たちの音楽を気に入ってなかったんだ。これからは俺たちの音楽を深く理解するつもりがない人たちにも対応する必要がある。こういうタイプの音楽だから、仕方ないけどね。カラオケでレディオヘッドの『クリープ』を歌うようなものだよ。「俺は気味の悪い変人だ/俺はここで何をしているんだ?/俺の居場所はここじゃない」っていう歌詞は知っているだろ? あの歌詞は完璧だよ。まさに俺が自分の曲で言おうとしていることだ。もし歌詞の意味を深く理解できれば最高だと思うだろうけど、もし理解できなければただの変な言葉だと感じるだろう。これらの言葉は皆に向けたものなんだ。そういう状況はすごく良かったね。オレンジ・カウンティでのライヴの話に戻ろう。俺が育ったあの町には、俺のすることや言うことを理解しようとする人間はいなかった。"俺はこのオレンジ・カウンティで育ったんだ"ってあえて言ってみたら、観客は拍手を送ってくれたけど"・・・このくそみたいな町でね。皆、かわいそうに"って俺は思ったよ(笑)。だから、これまでにやったショーで重要だったのは、曲の合間に観客に何を伝えるべきかってこと。面白いよ。


NYブルックリンで行ったライヴでのプロフェッツ・オブ・レイジ (Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic)

─カラオケで『クリープ』を歌ったことがあるのですか?

うん。あの曲とセックス・ピストルズの曲を歌う。よくジョン・マッケンローとカラオケをやるんだけど、いつもカラオケ・バトルみたいになるんだ。バトルが難しくなるように、同じ曲を2回以上歌わないようにしている。だから、"セックス・ピストルズの曲なら上手く歌えるけど、セックス・ピストルズの曲はもう全部歌った。どうしたらいいんだ? ミッドナイト・オイルか!"ってなったことがある。その時は『Beds Are Burning』を歌って、ジョンの奥さんのパティ・スマイスが来て女性パートを歌ってくれたんだ。マジで本物そっくりだったよ。でも、俺たちがやっているこの和気あいあいとしたカラオケ・バトルでは、オーディエンスの反応が一番よかった人を勝者としている。彼が勝つこともあるよ。

─あなたとマッケンローがカラオケ・バトルをするっていうテレビ番組が作れますよ。

俺も皆にもそう言ったんだ・・・。実を言うと、これはすごいテレビ番組にできるんじゃないかと思っている。俺はマッケンローにこう話したんだ。「お前はテレビ番組をやるべきだ。お前がホストになって、スポーツ選手だけでカラオケをやるんだ。ジョー・ネイマスとか元スポーツ選手で。いろんな競技のスポーツ選手を呼んで、お前の番組で歌ってもらうんだよ。ESPNチャンネルとかでやればヒットするだろう」って。そうなればいいな。

─あなたも元フットボール選手の肩書で出演できますね。

それか、共同ホストかな。サイモン・コーウェル役で。

─それはいいですね。

俺はスポーツのことは多少分かるけど、スポーツに関して何も知らないようなヤツだよな・・・。スポーツに関して無知なヤツでも、コメント程度なら言える。たとえまったく知らなくてもね。

─時々、着飾って『クリープ』を歌ってみるとか。

VネックのTシャツを着てね(笑)。

Translation by Shizuka De Luca

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