グリーン・デイが語る、復活までの長い道のり:新作『レボリューション・レディオ』制作秘話

アルコール依存症や闘病生活を乗り越え、グリーン・デイが辿り着いた原点回帰の新作『レボリューション・レディオ』(Photo by Mark Seliger for Rolling Stone)

期せずして4年に及んだ休止期間、そしてロックの殿堂入りを経て、今一度世界をロックすべく立ち上がった3人の物語。

短期間で3枚のアルバムを制作するという無謀な計画がもたらしたアルコールへの依存、そしてすべてのロックバンドにとって最高の栄誉であるロックの殿堂入りを経験したグリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングは、その遥か昔にバンドにいくつかのルールを課した。中でも最も重要なもの、それはアルバムのリリースとそれに伴うツアーを終えた後、間髪入れずに次の作品に着手するというものだった。長い休止期間はバンドを変えてしまうと主張するアームストロングはこう話す。「ヴィンテージカーと同じさ。乗らずにガレージに放置していたら、錆び付いて動かなくなっちまう」3人は駆け出しのガレージロックのバンドのように、多い時では週6でリハーサルを行っていたという。「バカげてたよ」ベーシストのマイク・ダーントはそう話す。「楽しかったけどね。俺たちは立ち止まることなく、20年間そうやって突っ走ってきたんだよ」



2016年9月22日号のローリングストーン誌の表紙を飾る、グリーン・デイ:(左から)マイク・ダーント、ビリー・ジョー・アームストロング、トレ・クール 2016年8月14日 バークレーにて(Photo by Mark Seliger for Rolling Stone)

バンドは大きな成功を収めるも、慢心することなく常に挑戦を続けてきた。アームストロング、彼の幼馴染であるマイク・ダーント、そしてドラマーのトレ・クールというワーキング・クラス出身のトリオが2004年に発表した『アメリカン・イディオット』は、21世紀におけるギターロックの最重要作のひとつとなり、アイライナーを引いた3人は巨大なスタジアム公演を次々とソールドアウトさせていった。そして2009年には、『アメリカン・ユーロジー(マス・ヒステリア / モダン・ワールド)』を含む、前作以上のスケールを誇る大作『21世紀のブレイクダウン』を発表した。「何もかもがシリアスで壮大になっていった」アームストロングはそう話す。「その過程で、グリーン・デイの重要な要素だったバカバカしさが失われてしまったんだ」

Translation by Masaaki Yoshida

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