トランプの女性に対する性的問題発言:「あれはただの言葉で実行に移したわけではない」

もうひとりの司会者マーサ・ラダッツはトランプに、問題発言のあった2005年から今は彼自身がどのように変わったか尋ねた。トランプは同じような謝罪の言葉を繰り返した後、「ビル・クリントンの方がもっとひどい。私はただ言葉の上の問題だが、彼は行動を起こした。アメリカの歴代政治家の中で、彼ほど女性に屈辱的な行為を行なったものはいない。ヒラリー・クリントンは彼の被害者たちを批判している」と述べ、会場にそれら4人の女性たちを招いていることを明らかにした。トランプは討論会に先立ち、彼女らと記者会見を開いている。そして「ヒラリー・クリントンは恥を知るべきだ」と発言を締めくくった。

クリントンはトランプの批判発言には直接反論せず、「周りは低俗であっても、自分たちは気高くいましょう」という民主党大会でのミシェル・オバマのスピーチを引用した。クリントンはまた、ゴールドスター・ファミリー(戦死者遺族)のキズルさんとガザーラさんのカーン夫妻、トランプ大学訴訟を担当するゴンザロ・P・キュリエル判事、先天性の障がいを持つサージ・コヴァルスキー記者らへ向けたトランプの攻撃を非難すると共に、「バラク・オバマはアメリカ出身ではない」と長きに渡り言い続けてきたことも批判した。

トランプは、オバマ大統領の出自に関する疑惑は「2008年の大統領選挙活動中にヒラリー・クリントン陣営から出されたものである」、と主張した。さらにクリントンのメール問題に関しては、「私が大統領になった暁には司法長官に特別検察官を任命してもらい、この件を必ず調査する。こんなにも嘘と欺瞞にまみれた問題は前代未聞だ」と述べた。

トランプが批判の言葉を並べている最中もクリントンは静かに微笑み、ただファクトチェッカー(事実確認担当者)に対し、トランプの発言の信ぴょう性を監視し続けるように要求した。「ドナルド・トランプのように気性の激しい人がこの国の司法の責任者でなくて本当によかったです」とクリントンが皮肉るとトランプは、「(私が大統領になったら)あんたは刑務所行きだからな」とシュールに返した。

Translation by Smokva Tokyo

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