「EDMは終わった」デッドマウスが新作に対する複雑な思いを語る

ー他には何を聴いていますか?

そんなのどうだっていいだろ。

ーあなたは最近トロントから小さな町に引っ越されました。スローで落ち着いた環境での生活はご自身に合っていると感じていますか?

そうだな。この町はド田舎で、マジで何にもないんだ。最寄りのティム・ホートンズまで車で20分もかかるからな。でも気に入ってるよ。最近じゃ結婚して落ち着くことも考えてる。総人口300人ぽっちのこの町じゃどこに行くにも車が必要なんだけど、下手すりゃどっかの森に迷い込んでそのままくたばっちまう可能性だってある。インターネットが使えなかったから、俺は自分専用のプロバイダーと130フィートの電波塔を用意しなくちゃいけなかった。この町じゃギガバイト単位でインターネットを利用するのなんて俺だけだからな。

ー孤独を感じることはない?

ないね、むしろ逆だよ。近所の騒音やステージ脇で騒いでるやつらのほうが、俺にとってはよっぽどストレスなんだよ。最近はあちこちでロクでもない話を耳にするしな。(ステージで銃撃された)ダイムバッグ・バレルの事件とか、客席から投げられたビール缶がディロン・フランシスの頭に直撃したとかさ。俺はそういうのにはウンザリなんだよ。どっかのアホがこの記事を読むことを願いつつ言っておくと、ライブセットであれDJセットであれ、俺のショーでは絶対に誰もステージに上がらせないと決めてるんだ。おかげでフォトグラファーのやつらはいつもカンカンさ。ビデオカメラの位置を変えるよう指示したりすると、「まるでどっかの王女様気取り」なんて言われるんだよ。

相手がクルーの人間だろうとファンだろうと、身の回りで何か不穏な動きを感じ取ったら、ショーの途中であっても俺は迷わず全電源を落とす。そいつがナイフを持ってて、俺に斬りかかってくるとも限らないからな。ショーがどうなるかなんて考える余裕はねぇよ。そいつらが何かやらかすんじゃないかって思い始めると、もう演奏どころじゃないんだよ。ワシントンDCの9:30クラブでの出来事はトラウマになってるんだ。俺がステージでぶっ倒れて、気づいたら乱闘騒ぎが起きてた。俺はあの時極度の睡眠不足で、疲れ果ててたってわけじゃねぇけど...。


「身の回りで何か不穏な動きを感じ取ったら、ショーの途中であっても俺は迷わず全電源を落とす」ー デッドマウス Drew Ressler

ー睡眠不足だと神経過敏になるんですね。

そう、何にでも過敏に反応しちまうんだ。息が荒くなって脳ミソに酸素が行き渡らなくなって、もう「あばよ!」って感じさ。酸欠で気絶しただけなのに、メディアは何でもかんでも過労だって騒ぎ立てる。いい加減にしろよって言いたくなるよ。

Translation by Masaaki Yoshida

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