1981年夏、ストーンズはニュー・アルバムをリリースしてツアーへ出る計画を立てていた。しかし、曲作りとレコーディングの苦労からは逃れたいと考えていた。そこで思いついたのが、70年代のアルバム制作時の未収録曲の発掘だった。そうして出来上がったのが『刺青の男』である。『友を待つ』は、1972年のアルバム『山羊の頭のスープ(原題:Goats Head Soup)』のセッション中に作った曲に歌詞を付け、部分的にオーバーダビングした。そうして10年前の焼き直しとは思えない代表曲に仕上がった。曲はラジオで大ヒットし、さらにレッド・ツェッペリンのアルバム『フィジカル・グラフィティ』のジャケットで有名なセント・マークス・プレイスの前で撮影されたプロモーション・ビデオは、初期のMTVを飾る代表作となった。
1975年春、ローリング・ストーンズはアルバム『ブラック・アンド・ブルー(原題:Black and Blue)』へ向けたセッションで、『ネヴァー・ストップ(原題:Never Stop)』と呼ばれるレゲエ曲を作った。3年後、アルバム『女たち』製作中にこの曲は、キース・リチャーズのキレの良いリフと共にロック曲として生まれ変わった。その時はアルバムには収録されなかったが1981年、プロデューサーのクリス・キムゼイが『刺青の男』向けに過去の未収録曲を漁っている最中に、この曲をたまたま発見した。バンドはついにこの曲に息を吹き込み、アルバムに収録した。アメリカのビルボード・ホット100で2位を獲得したこの曲は、現在に至るまでバンドの最後の世界的なヒットとなった。さらに、その後何年間もツアーのオープニングを飾った。