電子楽器をメインとしたポップ・ミュージックにおける世界初のヒット曲で、作曲者はガーション・キングスレイ。人工的な音源による未来のフラクタル宇宙の核を表現している。ドイツ系アメリカ人作曲家のキングスレイは、バッハの即興曲を弾きながらメロディーのアイディアを思いつき、1969年のアルバム『ミュージック・トゥ・モーグ・バイ(原題:Music to Moog By)』に収録した。「『ポップコーン』の“ポップ”は“ポップ・ミュージック”を、“コーン”は“駄作”を意味する」と、キングスレイは後に語っている。耳に残る印象的な彼の作品は、1972年にホット・バターのカヴァー・バージョンがリリースされるまで日の目を見なかった。このバージョンにはファースト・モーグ・カルテットのスタン・フリーも参加していた。ホット・バター・バージョンはまずパリのディスコでブレイクし、その後エイフェックス・ツイン、ミューズ、クレイジー・フロッグなど多くのアーティストにカヴァーされている。
マーヴィン・ゲイ 『レッツ・ゲット・イット・オン』(1973年) (原題:Let’s Get It On)