ポール・マッカトニー、ビートルズ時代の楽曲を巡りソニーを提訴

マッカートニーはアメリカで勝訴した後、イギリスでの裁判に臨みたいと考えている。デュラン・デュランもまた、2016年にソニーATVミュージックパブリッシングを相手取り、同様の裁判をイギリスで起こしている。結果、イギリスではアメリカの法律よりもイギリスの法律が優先される、として敗訴している。アメリカで裁判を起こしたマッカートニーの法律顧問チームは、「アメリカ著作権法と、そこに規定された契約期間終了の条項(著作権の作者への再帰)が、イギリスでの全ての契約に優先する」という判決が出ることを期待している。

マッカートニーとジョン・レノンは、1962年〜71年の間に作った一部の楽曲の著作権を、複数の音楽出版社に譲渡している。1980年代までに、その大部分の権利をATV社が所有した。1984年の後半、当時権利を所有していたオーストラリアの大富豪ロバート・ホームズ・ア・コートが、楽曲を売りに出した。以前よりマッカートニーと著作権ビジネスの話をしていた当時の友人マイケル・ジャクソンが、マッカートニーよりも高値の4750万ドルを付けてビートルズの楽曲の権利を買い取った。

ジャクソンは後にソニーと共同でソニーATVミュージックパブリッシングを立ち上げた。著作『MICHAEL JACKSON, INC. マイケル・ジャクソン帝国の栄光と転落、そして復活へ』によると、2014年現在、ソニーATVミュージックパブリッシング社は20億ドルの価値があった。2016年にジャクソンの資産管理団体がソニーに権利を売却するまで、ジャクソンの法定相続人たちが権利の半分を所有していた。

「先日、マイケル・ジャクソンが彼の遺志によりビートルズの楽曲の権利を僕に遺そうとしていた、という報道があった。これは完全なでっち上げで、とても驚いた」と、2009年にマイケル・ジャクソン逝去のニュースと共に流れた、「ジャクソンがマッカートニーに曲の権利を返還していなかった」という暴露話について、マッカートニーはコメントしている。「"ジャクソンが僕に曲を遺さなかったので僕が困惑している"という報道はまったくのデタラメだ。最初の報道が真実だとは微塵も思っていない。だから僕が困惑しているというのは完全に嘘だ。だから皆さんは、報道されていることが全て真実だとは思わないで欲しい」。





Translation by Smovka Tokyo

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