ビートルズの名曲「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」知られざる10の真実

1967年撮影のザ・ビートルズ(Photo by Jeff Hochberg/Getty Images)


7. BBCは” I’d love to turn you on(君のスイッチを入れたい)”という一節を問題視し、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を放送禁止にした

「当時はティモシー・リアリー(アメリカの心理学者、ヒッピーやドラッグを使う若者の支持を得る)の”Turn on, tune in, drop out”(スイッチを入れ、照準を合わせ、放棄せよ)の時代だった」とマッカートニーは回想する。「それで僕らは” I’d love to turn you on.”と書き、ジョンと僕は、”これはドラッグの曲だね。そうだね”と互いに顔を見合わせた。でも、同時に僕らの曲には常に複数の意味が含まれていて、”turn you on”は性的な意味にもなり得る。だから……わかってくれよ」。

しかし、BBCはこの言葉遊びを理解できなかった。「この曲を何度も繰り返し聴いた」と、1967年にBBCの広報担当者が語っている。「この曲は少し行き過ぎていて、ドラッグの使用を許容する態度を促しかねないと我々は判断した」。この曲が禁止された後、レノンはやはり辛辣に批判した。「この曲を禁止した人に会いたい。何が起きているのか、彼に”教えたい(turn him on)“。なぜ、ドラッグを蔓延させている電気局は訴えられない? 電気をつけるときにスイッチを入れる(turn on)必要があるだろう? 全ては解釈次第だ」。



8. 演奏に参加したオーケストラにアイデアを伝えるのは苦労した

“I’d love to turn you on”という一節を思い付いた後のことを、マッカートニーは詳しく語っている。「ジョンと僕が顔を見合わせた時、僕らの視線の間に小さな閃光が走った。それは、I’d love to turn you on”のように、僕らがしていたことを互いに認めるやり取りだった。それで僕は、OK、この感覚を表現するために、何か素晴らしいものが必要だと思った」。

マッカートニーが最初に思い付いたのは、90人編成のオーケストラだったが、最終的には40人編成になった。2月10日、ワーグナーの世界の終わりのようなグリッサンド奏法でレコーディングが行われた。オーケストラ奏者に仮装用のコスチュームの小物が(それからプラスチックの乳首も)配られるとムードが和らいだ。ブライアン・ジョーンズ、キース・リチャーズ、ドノヴァン、ミック・ジャガー、マリアンヌ・フェイスフルなどもレコーディングに参加した。

しかしジョージ・マーティンは、集合したオーケストラメンバーに手を焼いていた。「よく訓練されたオーケストラは、リーダーに従って画一的で理想的な演奏をする。だが、それは僕が一番してほしくない演奏だと彼らに強調して伝えた」とマーティン。マーティンとマッカートニーは、奏者それぞれができるだけ静かに演奏を開始し、隣の奏者の音に耳を傾けることなく、音楽的なオーガズムに達するように演奏を終わらせてほしかった。「オーケストラ側は、もちろんくだらない冗談、金の無駄遣いだと思っていた」。

Translated by Rolling Stone Japan

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