ローリングストーン誌が選ぶ「2017年ベスト・ソング」50曲

9位 ラナ・デル・レイfeat. ザ・ウィークエンド「ラスト・フォー・ライフ」

悲しげな瞳を持つ麗しのウィークエンドとデュエットしているダークさが一際輝くこの曲で、ラナ・デル・レイのカリフォルニア・ゴス帝国はハリウッドサインを越え、魂の砂漠へと足を踏み入れた。ガールグループ的な華やかさがゆっくりと溶解し、闇へと引き込む一瞬一瞬を味わいながら「とっても楽しすぎるの」とラナが歌う。

8位 ポルトガル・ザ・マン「Feel It Still」

長らく活動してきたポートランド出身のロック集団が、今年一番滑らかに輝く上品なモータウン風の曲で、突然ポップの金脈を掘り当ててしまった。「Feel It Still」はヴィンテージなデトロイト・ソウルが担っていた音楽の最前線まで遡り、そこに思いがけないフック(「ウー、快楽を得るために反抗しているのさ/1966年からずっとそう感じているよ」)を突っ込んでいる。

7位 ルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーfeat. ジャスティン・ビーバー「デスパシート」

2017年最大のヒット曲は、2017年最高の曲のひとつでもある。聴く者を誘惑するレゲトンのグルーヴは、プエリトリコのサンファンから中米のビートまで組み合わせたもの。「デスパシート」はチャートの1位に輝くと、夏の間ずっとそこに居座り続け、郊外に住むおばあちゃんが好んで聞く「ラ・バンバ」以来のスペイン語の曲となった。

6位 ミーゴズ feat. リル・ウージー・ヴァート「Bad And Boujee」

アトランタのミーゴズがブルジョア層(bourgeois)にリーチし、大通り(boulevard)を揺らそうと目論んだこの曲は、国内の至るところで今年最も聞かれた1曲となった。オフセットとクエヴォ、ゲストのリル・ウージー・ヴァートの3人は、フローを洋服のように着替えて、ブルーチーズ・チキンをオーダーしながら、メトロ・ブーミンのベースが生み出した新しいマネーに祝杯を上げている。

5位 U2「ライツ・オブ・ホーム」

U2ほど過去の財産を回収するのが上手いバンドはいない。ジ・エッジが弾くストーンズ風のイカしたリフの上で、「俺はここにいちゃいけない、だって俺は死んでいるはずだから」とボノが唸る。曲の幕開けにしてはものすごい歌詞だ。これに続くのが「俺の最盛期はこれからくると確信している」という大胆な宣言だ。闘志から空を衝くコーラスまで、U2というバンドを最高のバンドたらしめているお馴染みの要素がすべてここにある。

Translated by Miki Nakayama / Edit by Toshiya Oguma

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