クリント・イーストウッド、パリのテロ攻撃を阻止した英雄たちと対談

映画『15時17分、パリ行き』には、2015年にテロ攻撃を実際に阻止したアメリカ人たちが出演している(photo by Randy Holmes)

クリント・イーストウッドは、2015年にパリ行きの列車内で起きようとしていたテロ攻撃を阻止するのに一役買った3人のアメリカ人たちと共にテレビ番組『ジミー・キンメル・ライヴ!』に出演し、彼ら自身が主役を務める新作映画について語った。

フランスの列車内で起きようとしていたテロ攻撃の阻止に貢献した3人のアメリカ人がいる。3人は『ジミー・キンメル・ライヴ!』に出演(2018年2月5日)し、2015年に発生した実話をベースにした、彼ら自身が主役を演じる公開間近の映画『15時17分、パリ行き』(監督:クリント・イーストウッド)について語った。

アンソニー・サドラー、オレゴン州兵のアレック・スカラトス、米空軍一等空兵スペンサー・ストーンの3人は、それまで役を演じた経験などなかった。サドラーは、初めての演技というだけでなく、それがイーストウッドのような映画監督との仕事だという貴重な経験について語った。

「初めは手探り状態だった。あんな巨匠を前にしたら、“グッドジョブ!”という褒め言葉をもらおうと張り切るものさ。最初のシーンの後で彼の方を見たら、彼はほとんど無表情だった。そこで僕は“ああ、彼は気に入らなかったのか!”と思った」と、彼は振り返る。「でも後からわかったんだ。彼のやり方は、とにかくどんどん進めて、それ自体がグッドジョブになっていくってことをね。彼が初めて僕に“グッドジョブ”と言ってくれた時は、本当に誇らしかった」

ストーン、スカラトス、サドラー以外にも『15時17分、パリ行き』には、列車で実際に事件に遭遇した乗客たちも出演している。銃撃犯に飛びかかり、背中を撃たれたマーク・ムーゲリアンもその中のひとりだ。イーストウッドによるとマークは、トラウマとなり得る事件を再現することで観客に追体験させてしまうことを、少し心配していたという。「ある種の悪夢になるかもしれないとは思ったが、カタルシスとなる場合もある。特に銃撃を受けたマークの場合はそうだ。彼は、心の中で何かが解放されたと感じている」

イーストウッドはキンメルとの単独インタヴューにも応え、役者経験のないストーン、スカラトス、サドラーをオーディションなしで起用した決断の意図についても明らかにした。イーストウッドは3人に対し、いかなる演技指導も受けないよう伝えたという。「プロの役者を目指して続ける気があるなら演技指導もいいだろう。でもこの映画では、素のままの彼ら自身が必要だった。他の人間のフィルターを通して描きたくなかったんだ」




Translation by Smokva Tokyo

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