世界45以上の音楽フェスがジェンダー不平等問題で団結、2022年までに男女比を均等に

(Photo by Mick Hutson/Redferns/Getty Images)

45以上の世界的な音楽フェスティバルが団結して、2022年までにフェスティバルにおけるジェンダー比率を50/50にして、現在のジェンダーの不平等の解決に取り組むことを発表した。

世界中の45以上の音楽フェスティバルが団結してジェンダーの不平等の解決に取り組むという。「2022年までにフェスティバルでのジェンダー比率を50/50にする」ことを誓約し、実現する。この50/50のジェンダー比率にはライブ演奏を行う参加アーティストと会議参加者のジェンダーも含まれる。

イギリスの慈善団体PRS FoundationのKeychangeキャンペーンに参加を表明したフェスティバルは、リバプール・サウンド・シティ、NYC ウィンター・ジャズフェスト、ノルウェーのボレアリス、カナダのノース・バイ・ノースイースト、イギリスのBBC プロムス以外にも多数いて、彼らは率先してこの問題に取り組む姿勢だ。

加えて、ガービッジのシャーリー・マンソン、デヴィッド・ボウイのプロデューサーだったトニー・ヴィスコンティ、イモージェン・ヒープ、グラストンベリーの主催者エミリー・イービスがこのキャンペーンの親善大使を務め、Keychangeが推進するジェンダー比率の目標を達成するために尽力する予定だ。

マンソンは声明文で次のように述べた。「世界中の音楽ビジネスの、あらゆる現場における女性の労働環境に関する気が滅入る統計を見て、私の怒りは一向に静まらない。私たちは異なる社会的・経済的背景を持つすべての民族の女性だけではなく、あらゆるジェンダー、そして文化と社会に対して、現状を維持することで危害を加えている。私はKeychangeとこのキャンペーンが成し遂げようとするすべての目標を、誇りを持って支援していく」

これにヴィスコンティが付け加えた。「Keychangeと、このキャンペーンの目的である音楽業界の女性の地位向上を全面的に支援する。私はこれまで才能溢れる女性アーティストたちとの作業を楽しく行ってきた。今後も多くの女性アーティストが音楽を作り、キャリアを積める姿を見たいものだ。また、フェスティバルがKeychangeのキャンペーンを5年間かけて達成しようとする姿勢が気に入っている。ステージやパネル・ディスカッションで目にする男女の比率が同じという風景を見られるなんて、素晴らしいことだと思わないか?」

PRS Foundationによると、Keychangeは「EUのCreative Europeプログラムが支援する先駆的な国際構想で、音楽業界の未来を変えるために女性の地位向上を目指し、同業界の議会やフェスティバルに2022年までにジェンダー比率を50/50にして、この比率を維持することを促す。志を同じくするフェスティバルや議会プログラム作成者たちが団結して、前向きな活動を行うことで、必要性が高まっている変化を、ライブ音楽とそれに付随するすべての現場に起こすことを目的としている」という。

アイスランドのエアーウェイヴ、スウェーデンのウェイ・アウト・ウェスト、イギリスのザ・グレート・エスケープなどの有名なフェスティバルは以前からKeychangeと足並みを揃えている。

「PRS Foundationでは実行する全てのプログラムで多様な才能を支援している」とCEOのヴァネッサ・リードが説明した。「2018年はイギリスで女性が参政権を得て100周年であり、その年にジェンダーの平等を目標に掲げた。100年経っても社会におけるジェンダーの平等は実現されておらず、クリエイティヴな業界での不平等に人々が強い関心を持ち始めた今こそが、私たちがこの問題を取り上げて、音楽業界に具体的な変化を起こす機会だと捉えている。女性アーティストたちや業界のプロフェッショナルたちで作るKeychangeネットワーク、さらにフェスティバル主催者たちが集団で誓約を掲げるという考えは、この変化の速度を劇的に加速するはずだ。これが均衡の取れた業界に変化する始まりとなり、ジェンダーを問わず、あらゆる人々に利益をもたらすものとなることを願っている」

Translated by Miki Nakayama

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