オジー・オズボーン、AEGに対しライブ会場の強要で独占禁止法違反訴訟

AEGに対して反トラス法(独占禁止法)違反の訴訟を起こした オジー・オズボーン (Photo by Frazer Harrison/Getty Images for ABA)

オジー・オズボーンはAEGに対して反トラス法(独占禁止法)違反の訴訟を起こした。ロンドンのO2アリーナでのコンサートを行うためには米ステイプルズ・センターでコンサートを行わなければならないとするAEGの方針は“反競争的行為”とオズボーンは主張した。

オジー・オズボーンは、コンサート会場の所有者でありコンサート興行企業であるアンシュッツ・エンターテインメント・グループ(AEG)を相手取って、反トラスト法(独占禁止法)違反の訴訟を起こした。この訴訟では、英ロンドンのO2アリーナのコンサート使用を予約するには、そのコンサートが含まれるツアー内に米ロサンゼルスのステイプルズ・センターでも公演を行わなければならないとするAEGの方針を違法と主張している。ちなみにO2アリーナもステイプルズ・センターもAEG所有の会場だ。

この訴訟では「アンシュッツ・エンターテインメント・グループ(AEG)と提携もしくは傘下という関係にある団体とAEGの結託によって生じる反競争的行為」が非難されている。特に、この申し立てでは「ステイプルズ・センターでの義務」を不服としている。これは「ロンドンの代表的なコンサート会場であるO2アリーナでコンサートを行うアーティストやミュージシャンは、そのコンサートと同じツアーでロサンゼルス公演を行う場合にはステイプルズ・センターで行わなければならないとAEGが義務づけている」ことに起因する。

訴状によると、オズボーンのUKプロモーターであるLive Nationが2018年の初めに、ノー・モア・ツアーズ2と銘打ったオズボーンのファイナル・ツアーとして、2019年2月のロンドン公演のためにO2アリーナを予約しようとした。同訴状には「AEGの返答は“会場は空いているが、オジーはステイプルズ・センターの義務を受け入れるという条件を満たさないといけない”だった」と記されている。そして「オジーの妻であり、ビジネス・マネージャーであるシャロン・オズボーンがステイプルズ・センターの義務に異論を唱えたが、AEGは方針を変えなかった」と続く。

2018年2月、シャロン・オズボーンは電子メールで「アーティストが演奏を好まない会場で演奏することを強要している」と、AEGの現会長兼CEOのジェイ・マルシアーノを非難した。シャロンのこの電子メールも訴状に記載されており、その返信として「論点はザ・フォーラムかステイプルズ・センターだ」とマルシアーノが返答したとも記されている。

Billboardは、O2アリーナとステイプルズ・センターの抱き合わせ予約方式は、マディソン・スクエア・ガーデンとザ・フォーラムの抱き合わせ予約への対応策として始まった、と報じた。また、Live Nation UKの会場デニス・デスモンドが、2017年にイギリスの公正取引委員会(CMA)に「イギリスの独占禁止法と反トラスト法を侵害している疑いがある」とAEGの苦情申し立てを行ったことも、Billboardは報じている。しかし、米ロサンゼルスの会場が論点のために、この一件はカリフォルニア州で討論すべきという返答をCMAは出していた。

Translated by Miki Nakayama

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