PassCode1万字ロングインタビュー:現場で磨いた「ライブ力」へのこだわり

「自分がやるべきなのはいつもどおりのことを続けることなのかなって」大上

―具体的には今回のツアーから何を得たんでしょう。

大上:メンバーのことを前より深く知れたと思います。メンバーとはプライベートでも会ったりするし、元々距離は近かったと思うんですけど、今までにないこんな状況だとこのメンバーはこういう気持ちになるのかっていう内面的な部分だったり、ステージ上でも「この人はこれをやる」っていう役割分担みたいなものが見えてきたと思います。

―メンバーの本質がより見えてきたと。ちなみに、それぞれの役割分担っていうのは?

大上:例えば、今回は今田の体調が悪かったんですけど、ステージの途中で今田の体調がよくなくなったときに、南は今田を庇いにいって、大上と高嶋は普段どおりのことを続けるっていう。全員で庇いにいってもダメだし、全員がスルーしてもダメだから。

―そういう場面はありましたね。

大上:今田はツアー前に活動休止期間があって、その前にもステージで体調が悪くなることがあったんですけど、南が助けに行ってくれてる間に自分はこのままパフォーマンスを続けてていいのかっていう迷いがあったんですよ。だけど、自分がやるべきなのはいつもどおりのことを続けることなのかなって今回のツアーでわかりました。

―そういう考えをメンバー間で共有したり?

大上:南が「ひなちゃん(大上)はそのままやってくれてていいから」って言ってくれて、「ああ、じゃあ、自分のやるべきことを全うしよう」って。

南:グループの役割的には元々、高嶋と大上がいつものステージングをして、今田と南が攻めるっていうスタイルでやってるんで、そこのスタンスは変えないほうがいいと思ったんです。高嶋と大上が安定したパフォーマンスをしてくれるから、誰かが体調悪かったとしてもある程度一定したクオリティでライブを届けることができる。だけど、そこがブレるとライブがガクっと落ちちゃうんで、2人にはステージ上で起こってることは気にせずに前に出てほしいなと思ってて。だから、「そこはよろしくなぁ」っていう話をよくしてます。

―そういう役割を担うことによって何か思うことは?

高嶋:自分のなかでは特に“担ってる感”はなかったんですけど、メンバーが歌えへんくなったり倒れたりしたら、そこに目がいかんように……って言ったらアレですけど、自分ではより大きく動くように意識しています。でも、それは“担う”っていうよりも自然とそうなっていったことだし、スタッフの方も「それでいいよ」って言ってくれるので、「ああ、私はステージをよくするために動けてるんや」って毎回実感してました。


南菜生

―なるほど。今回のツアーを拝見して感じたのは、皆さんのダンスの質が上がったことで。

一同:うれしい(笑)。

南:今回のツアーは『ZENITH』の曲が入ることが多かったんですけど、『ZENITH』の曲はELEVENPLAY(演出振付家MIKIKO率いるダンスカンパニー)のKOHMEN先生が振付をしてくださったのでよく練習したし、そのおかげで振りとかダンスのクオリティが上がってたんかなぁって思います。逆に、違う先生とか自分たちがつけた昔の曲を『ZENITH』と同じレベルまで持っていくのが今後は大変なんだろうなぁと思っていて。なので、今後はそこの質をもっと上げていかないと、そこだけガタッと落ちて見えちゃいそうな不安があって。

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