アメリカレコード協会の年次報告書によると、2017年のアメリカ国内の音楽市場の総収益が87億ドル(約9,100億円)となり、2年連続の増加を記録。なかでも有料の購買ストリーミング・サービスが史上初の40億ドル(約4,200億円)以上となり、収益増加の大きな要因ととなった。
2017年の音楽市場の総収益は前年度から16.5%増加の87億ドル(約9,100億円)となった。収益を増加させた大きな要因は音楽のストリーミング・サービスだという。アメリカレコード協会(RIAA)の年次報告書によると2年連続で収益が大幅に増加したのは1999年以来だと、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
2016年と2017年の収益増加は、収益の大半を占めている音楽ストリーミングのプラットフォームが関係していると考えられる。音楽ストリーミングの収益に含まれているのは、Spotify、アマゾン、Tidal、Pandora、Apple Musicなどが提供するプレミアム購買サービスの収益、YouTubeやVevoなどが提供するアドサポートのオンデマンド・ストリーミング・サービスの収益だ。2017年の音楽市場の総収益の3分の2を占めたのが音楽ストリーミング・プラットフォームである。なかでも有料の購買ストリーミングが大きな牽引力となり、史上初の40億ドル(約4,200億円)以上の収益となった。
ストリーミング・サービスによって過去10年間と比べものにならないほどの収益増加を果たしたとは言え、収益がピークに達した時代と比べると、それでも6割程度でしかない。これはデジタル、フィジカル両方の音楽セールスが減少し続けていることに起因する。デジタル音源のダウンロード収益は前年から25%減少し、2017年度は13億ドル(約1,400億円)。また、2011年以来初めてフィジカル製品の収益がデジタル音源のダウンロード収益を上回ったが、フィジカル製品の出荷数に基づく収益は前年の4%減の15億ドル(約1,600億円)となった。
この年次報告書と時期を同じく投稿されたブログ内で、RIAA会長兼CEOのキャリー・シャーマンは、録音された音楽の収益は増加してはいるが「この収益増加を長期に渡って実現するためには、まだまだやるべきことがたくさんある」と述べた。