ニール・ヤング、新作映画や自身の配信サイトについて語る:引退ツアーは「くだらない」

ーしばらくぶりで聴いてみたら最高だったという作品はありますか?

(1996年のクレイジー・ホースとの)『ブロークン・アロー』だ。これはマジですごいレコードだよ。この作品の曲の中には……「ディス・タウン」なんて最高で、このレコードをとても気に入っている。それにティム・ポープが作ったビデオがあって、これを見たことのある人はほとんどいないと思う。あと、「スキャッタード」も気に入っている曲だ。これはプロデューサーのデヴィッド・ブリッグスが死んだあと、最初に作ったレコードだった。それもあって、俺にとっては大きな意味を持つ作品なんだ。これらのレコードはあの当時に俺に起きた出来事を記録したものだし、そういう記録があって、それを後から引っ張り出して、夢中で聞いて、レコードの色合いを確認できるは最高だよ。『ズマ』(原題:Zuma)もいいアルバムだ。実はポイント・デュームの楽曲を『デューム』(原題:Dume)として出す予定なんだ。これは『ズマ』用にプレイした他のテイクで、未発表曲が6曲含まれていて、『ズマ』とは少し趣が違う。そんなふうに、今後もたくさんリリースする予定だよ。

ーあなたはサウンドチェックからライブまですべて録音すると、どこかで読んだことがあります。今後、録音したもの全部をタイムライン上で公開する予定ですか?

最終的には自分が気に入ったライブ・パフォーマンスを選んでアップしたい。全部じゃなくてね。だって、出来の良いものも出来の悪いものもあるから。そのときどきの雰囲気が違うし、演奏したアーティスト本人にしかその雰囲気の良し悪しを判断できないんだよ。今じゃ世界中であらゆるものが提供されている。俺は「俺が提供するのはこれ」って決めたいんだ。Facebookとは違うのさ。みんなが俺の場所に訪れるわけだから。俺たちがみんなに向けて公開して、みんなはベストな状態でそれを聞く。ただし、俺の場所に来ないと聞けないってことだ。みんな、ここに来てくれるだけでいいんだよ。




ーあなたの作品全部が整頓されて、一箇所に集められたら壮観だと思います。

自分でも本当か?と疑うくらいだよ。あまり考えないようにしているけど、始まりが1963年で、今は2018年だ。少し落ち着かないとな。

ー過去を振り返るのは好きじゃないですよね?

アーカイヴを作るには振り返らざるを得ないし、けっこう楽しい。俺たちはちょっとしたチャートを作っていて、そこでは俺がいつでも1位だ(笑)。でも(ザ・スクワイアーズの)「オーロラ」と「ザ・サルタン」が最初の2〜3週間はトップ10に入っていた。高校時代のバンドと一緒にカナダで作ったレコードをまた見るのはクールだったよ。みんな、あれをチャートと呼んでいるし、まあ、ほとんどが俺のだ。自分のために作ったものだし、このアーカイヴ・サイトは本当に楽しいんだよ。

Translated by Miki Nakayama

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