YOSHIKI涙のカムバック、X JAPAN復活10周年ライブを増田勇一が振り返る

今は亡きHIDEとTAIJIの魂も、常に彼らとともにある。

いくつか具体的な事実関係について報告しておくと、今回の二夜公演にはYOSHIKI、Toshl、PATA、HEATH、SUGIZOに加え、10年前の復活劇の場にも花を添えていたウェス・ボーランド(リンプ・ビズキット)とリチャード・フォータス(ガンズ・アンド・ローゼズ)がゲスト出演。両ギタリストが映画『We Are X』にも証言者として登場していることは言うまでもない。ウェスは「I.V.」、リチャードは「BORN TO BE FREE」の際に姿を見せ、X JAPANにとっての新たな記念日に新鮮な刺激をもたらしていた。

加えて、「紅」の演奏時にはMUCCのギタリストであるミヤが登場。彼の登場に唐突な印象を持った観客もいたはずだが、実は今回の公演開催を前に、ビザ申請上の理由によりSUGIZOの渡米が叶わない可能性があることが発覚し、彼がコーチェラに出演不能となった場合のサポート・ギタリストとして急遽リハーサルの場に召集されていたのがミヤだった。結果的にはなんと、この公演当日になってSUGIZOのビザの件もクリアになって渡航も可能となり、YOSHIKIがその事実を告げると客席からは歓喜の声が湧いた。余談ながら、この日の開場/開演が遅れた一因もそこにあったのだという。そしてライヴの最後の最後を締め括ったのは、ウェスとリチャード、ミヤも勢揃いした状態での「X」。ギタリストだけでも5人が並ぶその図は、まさに圧倒的だった。

X JAPAN

YOSHIKIは公演途中、涙をこらえながら「みんなの支えがあって、なんとかここまで……」と語っていたが、ある意味今回のライヴは、アメリカからの2人のゲストやミヤの協力もあったからこそ成立したものでもあった。そしてもちろん、今は亡きHIDEとTAIJIの魂も、常に彼らとともにある。日頃から、今は亡き彼ら2人を含む7人がX JAPANなのだということを強調してきた彼らだが、今回はこのバンドを軸とする人間の輪がさらに広がりを増したことをステージ上で実感していたのではないだろうか。

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