YOSHIKI涙のカムバック、X JAPAN復活10周年ライブを増田勇一が振り返る

X JAPANはアメリカで新しい波を起こすかもしれない。

演奏曲目などの面においてこれといった目新しさはなかったが、往年の看板曲の数々と復活後の定番曲が絶妙のバランスで肩を並べた、彼らにしては比較的コンパクトなセットリストには、引き算に引き算を重ねた結果としてのシャープさがあり、それによって1曲1曲のキャラクターがいっそう際立っていたように思う。そこで同時に感じさせられたのは、音楽シーンの動向に敏感な意識高めの観客や関係者が集まることでも知られるコーチェラの場でも、間違いなくこのライヴ・パフォーマンスは鮮烈に映るはずだということである。筆者はメジャー・デビュー以前からこのバンドのライヴを観ているが、そう確信できるほどにこの夜のライヴは素晴らしかった。

彼らは同フェスにおいて、複数あるステージのうち、MOJAVE STAGE(モハーヴェ・ステージ)のヘッドライナーを務めることになっている。同じ時間帯には別のステージで、あのビヨンセのショウが行なわれているはずだ。ちなみに権威ある米グラミー賞のオフィシャル・サイトでは、そのビヨンセとザ・ウィークエンド、そしてX JAPANが〈今年のコーチェラでもっとも期待すべき3組〉として紹介されていたりもする。

そうしたことからも今回のステージの注目度の高さは明らかだが、実際にそこで今回の東京公演に匹敵するインパクトとクオリティのライヴがその場で再現されたならば、確実にその瞬間からX JAPANはアメリカで新しい波を起こすことになるはずだし、それは世界に波及していくことになるのではないだろうか。しかもこのコーチェラのステージには、東京公演と同様にウェスとリチャードがゲスト出演するとの情報も届いているし、なんとHIDEとTAIJIの姿もホログラムで登場することになるのだという。

YOSHIKI

そうして世界的に注目度を増していくなか、発売が待たれているニュー・アルバムに向けての期待もいっそうの高まりを見せていくことになるに違いない。この日のステージでYOSHIKIは「(誰もがそのことばかり尋ねてくるので)アルバムの“ア”の字も聞きたくない」などと冗談めかしながらも「99.7%完成している」と断言していたが、その全貌が明らかになる日の到来を心待ちにしながら、まずはこの14日と21日、コーチェラで何が起こるかに注目していたいところである。

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