音楽史上最もセクシーなミュージック・ビデオ・トップ30

14位 シアラft.リュダクリス「Ride」

ミュージックビデオ・ディレクターのダイアン・マーテルが手がけた2010年のこのMVには、ロデオブルに乗ったり、情熱的に腰をグラインドさせたりする場面が登場する。内容がセクシーすぎるとして、BET(ブラック・エンターテインメント・テレビジョン)の平日のカウントダウン番組「106 & Park」から閉め出された。当初は放送禁止と報道されたがBETはそれを否定し、放送できるようにシアラが編集し直すのを待っていると公式発表した。当時、Rap-Up誌に「官能的な場面がいくつかあるのは承知していたけど、BETが安心して放送できるように喜んで編集するわ」と、シアラ本人も語っていた。この頃すでにビデオはテレビだけではなくてオンラインでも公開されていたため、シアラがBETの指針に従って自分の考えを変えられるか、興味津々で様子をうかがっていた人もいたはずだ。

13位 マドンナ「エクスプレス・ユアセルフ」

1989年のマドンナのアルバム『ライク・ア・プレイヤー』からの2枚目のシングルのMV。監督はデヴィッド・フィンチャーでフリッツ・ラングのディストピア映画『メトロポリス』にオマージュを捧げたものだ。とは言え、エロティシズム全開で、大きな建物の地下と思しき作業場で労働者たちが汗を滴らせながら歯車を回している。一方、マドンナは冷酷なディーヴァ、男装の弁士、金持ちの慰み者とコスプレショーを繰り広げる。そしてハッピーエンドが訪れるのだ。地下にいた筋肉質の美しい労働者がマドンナを見つけ、彼女は彼にその身を捧げる。これは束縛からの解放であり、かなりホットな場面だ。そして、性的自由を訴えて、ラングの名言「脳と手の媒介者は心でなくてはならない」で締められている。

12位 セレーナ・ゴメス「ハンズ・トゥ・マイセルフ」

自分の限界を押し広げたいポップ・スターが好んで声をかけるのが監督アレック・ケシシアンだ。マドンナのドキュメンタリー映画『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』(1991年)を手がけたことで有名だが、セリーナ・ゴメスが2015年のシングル「ハンズ・トゥ・マイセルフ」のMVを彼に頼んだのもそれが理由だ。このビデオの中でゴメスが演じるのはストーカー。モデルのクリストファー・メイソンの恋人という妄想にとり憑かれている彼女は彼の家に侵入する。「このビデオでは2つのストーリーを混在させたかったの」と、メイキング映像でゴメスが語っている。「誰でも将来の自分の姿を夢見ることがあると思うの。特に恋する少女の場合、その恋に固執して自分を制御できなくなることがあるわ。だって、その少女にとっては何よりも欲しいものがその恋なのだから」と。

11位 デュラン・デュラン「ガールズ・オン・フィルム」

1981年にモデルの生活を題材にしたこのMVをデュラン・デュランが公開したとき、MTVの基準や規則を決める部門に衝撃が走った。ケヴィン・ゴドレイとロル・クレームが監督したこのクリップには、様々な衣装を着たモデルが登場する(相撲、カウガール、ナース、など)。このビデオは1981年の夏にMTVが開局する2〜3週間前に公開され、バンドとこのビデオを放送したMTVは論争に巻き込まれることとなった。

10位 ビヨンセ「パーティション」

2013年にリリースされたセルフタイトルのビジュアル・アルバムの中で「パーティション」は群を抜いていた。仏パリにある有名キャバレー、クレイジーホースでビヨンセとジェイ・Zが婚約したという設定で、暇を持て余した主婦ビヨンセの妄想が繰り広げられる。クレイジーホースのステージからジェイを誘惑するダンサーなり、リムジンのバックシートで愛を交わしましょうと歌いながら、彼を凝視して身体をくねらせる。「彼女たちを見て『なんてセクシーなの!』と思ったの。これまで見た中で究極のセクシー・ショーがあれだったから『私もあのステージに立ちたい。夫のためにあのパフォーマンスをしたい』と思ったわけ。だから、それをビデオで実現しただけよ」と、付録のメイキング映像で彼女自身が説明している。

Translated by Miki Nakayama

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