「魔女狩り」開始から1年、米大統領選トランプ陣営とロシアとの関係調査の現状

Drop of Light / Shutterstock

2018年5月17日、米大統領選のトランプ陣営と選挙への介入が疑われるロシアとの関係を捜査する責任者としてロバート・ミュラーが指名されてから、ちょうど1年を迎えた。1年がたった今でもミュラーの存在を意識し、“魔女狩り”と揶揄するトランプ。果たしてミュラー特別捜査官は、大統領を起訴することができるのか?

2018年5月17日、2016年の米大統領選におけるトランプ陣営と、選挙への介入が疑われるロシアとの関係を捜査する責任者としてロバート・ミュラーが指名されてから、ちょうど1年を迎えた。捜査当局はこれまで、22組の個人と組織に対する8つの訴訟を起こしている。トランプ陣営の協力者であるリック・ゲイツ、陣営の外交政策顧問を務めたジョージ・パパドプロス、元国家安全保障担当補佐官マイケル・フリンらは皆、同捜査絡みの裁判で有罪を認めている。トランプの選挙対策本部長だったポール・マナフォートは、さまざまな金融犯罪により起訴されたが、無罪を主張している。しかし自身の選挙キャンペーンに犯罪の臭いが漂っているにもかかわらず、ドナルド・トランプは依然として米国大統領の職に留まっている。しかもミュラーが特別捜査官に就任して1年を迎えた日の朝、トランプはツイッターで“祝意”を表明した。






おめでとう、アメリカ。我々は今、米国史上最大の“魔女狩り”が始まってから2年目に突入した。今なお“共謀”や“妨害”の存在が明らかにされていない。唯一の“妨害”は、我々よりも遥かに多くの資金をつぎ込んだにもかかわらず選挙に敗れた民主党によるものだ!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) May 17, 2018

トランプの顧問弁護士もどきのルディ・ジュリアーニはFOXニュースに出演した際、ミュラー側の捜査員がトランプの弁護団に対し「特別捜査官は大統領を起訴できない」と伝えた(この話は基本的には正しい)時の様子を自慢げに語った。ジュリアーニはまた、「ミュラー捜査官は大統領を召喚することもできないだろう」(この点には議論の余地がある)という彼のかねてからの主張を繰り返した。「捜査が長期に及ぶなら、我々はひとつひとつについて戦う用意がある」とジュリアーニは目をむいて語った。「無実なら反論しなければならない。大統領は完全に無実だ」という彼は、現在行われている捜査について、“いまいましい魔女狩りだ”と締めくくった。

Translated by Smokva Tokyo

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE