モーガン・フリーマンに対し性的不品行容疑で8人の女性が告訴

この告発記事が出たあと、「私をよく知る人たち、私と仕事をしたことのある人たちは、私が意図的に人を攻撃したり、不快にしたりする人間ではないと承知している。そんなつもりは一切なかったのだが、もし私の言動で不快感を覚えた人や無礼だと感じた人がいるのであれば謝罪する」という声明を出した。

CNNの報道では、同局の記者たちが関係者に名前を知らせずに話を聞いたにもかかわらず、フリーマンの名前を出した俳優やスタッフが多くいたとも伝えている。もちろん、そのような不適切な言動に遭遇したことのない関係者もいた。

レヴェレーションズ・エンターテインメントは1996年に創業され、フリーマン主演の映画『スパイダー』とCBSのドラマシリーズ『マダム・セクレタリー』の製作総指揮を行ったことで有名だ。同社の元従業員の証言によると、同社は急成長を遂げたが、人事部や人事局という部署が存在せず、たくさんの事件や出来事が闇に葬られたということだ。女性スタッフたちが報復を恐れたことが大きな理由と言う。その中の一人が当時を思い出してCNNに語った話はこうだ。あるとき、フリーマンが彼女を上から下まで舐めまわすように見たあとで「セクシャル・ハラスメントってどう思う?」と聞いた。彼女は嫌味を込めて「大好きよ」と答えた。するとフリーマンは後ろを振り返って「ほらね、こうやってやるんだよ」とスタッフに言った。また、フリーマンが自分の胸を凝視していたと報告した女性スタッフも複数いる。ある男性スタッフは、フリーマンが女性インターンの肩もみをしていたときの光景を「近所に住む気味の悪いオヤジ」のようだったと言った。さらに、フリーマンが女性スタッフにくるくる回るよう指示していたと証言する男性スタッフもいた。

会社主宰のパーティーでのこと。フリーマンは女性スタッフに近寄って、一言も言葉を発せずに、順番に一人一人を凝視したという。「性的な含意があった」とあるスタッフが述べた。

レヴェレーションズの従業員たちは、女性に対してフリーマンが言った言葉の中に「彼女と1時間一緒に過ごしたい」というのがあったと言う。また「君には感嘆の言葉しか出てこない」と言ったことがあると、ある男性がCNNに教えた。「どんな現場でも彼が一番上の立場だからキツいんだ。それに、みんながモーガン・フリーマンを尊敬している。それなのに彼がそんな発言をするって本当に奇妙な話だよ」と。

マクリアリーは#MeTooとTime’s Upの支持を公言してきた上に、全米製作者組合に新たな反セクシャルハラスメント規則を提案している。同組合員の中にはマクリアリーが家庭的な女性たちを見下している可能性があると疑う者もいないわけではない。しかし、同組合のスポークスパーソンはマクリアリーへの支援を表明した。彼らの声明には「CNNから訴えの連絡をもらってすぐにその件に関して調査を行い、全く意味のないことだと判明した。ロリ・マクリアリーは素晴らしい組合長だ。ギルドとの仕事に関しても、彼女が常に一貫性を持ち、自由に発言し、同じコミュニティに所属する女性でも誰でも、過小評価されている人がいれば、そのすべての人々への支援を活発に行っている」と記されている。

フリーマンの俳優としてのキャリアが始まったのは1960年代で、1989年の映画『ドライビング Miss デイジー』と『ワイルド・チェンジ』で大ヒット俳優の仲間入りを果たした。それ以降、『セブン』、『インビクタス/負けざる者たち』、『ブルース・オールマイティ』などで主演を務めている。『ミリオンダラー・ベイビー』ではアカデミー最優秀助演男優賞を受賞し、それ以外に4度ノミネートされている。

Translated by Miki Nakayama

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