身近なスターの顔と表現者の声が融合、福山雅治ドーム公演ライブレポ

アンコールは2曲。2曲目の「Peach!!」はこの日のテーマでもあった「圧倒的にファイナル・圧倒的にドーム」を体現したような内容だったし、曲の途中でフェイクのお尻を出し、そのお尻で「冬の大感謝祭開催します」という告知をしてみせるというオチまで付けた。

演奏が終り、16人のメンバーを一人ひとり紹介する福山。だが、オーディエンスの拍手は鳴りやまず、Wアンコールへ。Wアンコールでは「少年」をアコギ一本で歌った。途中、オーディエンス全員の拍手が「パチンパチン」とドームにこだました。その音はまるで心臓の鼓動のようだった。その音とともに歌う福山の歌は、どこまでも優しく、それでいて力強かった。

平成という時代も来年で終わる。そんな新しい時代に活躍が目されているのが、AIだ。音楽においてもAIの参入は確実に進むはずだ。では、生身の音楽家とAIの違いはどこか? 作家・平野啓一郎は生身の作家とAIが作り出す物語の違いを「感動」と言い切っていた。感動……随分と手あかのついた言葉だが、素敵な言葉だ。

公演時間3時間、全25曲の福山の本公演を体感して、心に残ったものをもし一言で表現するなら“感動”だった。そして、帰路につくオーディエンスの顔からも同じものを感じた。福山の音楽を22世紀に残したいと思った。

『FUKUYAMA MASAHARU DOME LIVE 2018 -暗闇の中で飛べ-』ファイナル SET LIST
01. 幸福論
02. vs.2013 ~知覚と快楽の螺旋~
03. それがすべてさ
04. IT’S ONLY LOVE
05. jazzとHepburnと君と
06. 漂流せよ
07. 虹
08. 蜜柑色の夏休み
09. あの夏も 海も 空も
10. クスノキ
11. トモエ学園
12. 道標
13. 友よ
14. HELLO
15. 暗闇の中で飛べ
16. Humbucker vs. Single-coil
17. Pop star
18. 零 -ZERO-
19. 失敗学
20. 聖域
21. 明日の☆SHOW
22. Dear
【アンコール】
23. その笑顔が見たい
24. Peach!!
【Wアンコール】
25. 少年

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE