ストリーミングの躍進で音楽業界が回復基調、ラップ人気が牽引

現時点で2018年で最も売れたアルバムは、今年のフジロックへの出演も決まっているポスト・マローン(Photo by Shutterstock)

ニールセンの報告書によると、ストリーミングが相変わらずの成長を見せ、それを主導しているのはヒップホップとR&Bであり、現時点で2018年で最も売れたアルバムは、今年のフジロックへの出演も決まっているポスト・マローンの『ビアボングス&ベントレーズ』だった。

リスナーの耳に届けられる音楽がこれだ。20年間続いた音楽不況という悲惨な状況を脱し始めたばかりアメリカのレコード業界だが、相変わらずの回復基調が続いている。2018年上半期のストリーミングとセールス両方の消費が18%伸びたと、7月6日朝に発表されたニールセンの中間報告に記載されていた。

ニールセン・ミュージック本部長エリン・クロフォードは、音楽業界は「相変わらず積極的な成長の最中」と述べた。2016年の音楽ストリーミングの大躍進のおかげで、伝統的なアルバムの売り上げは減少したとはいえ、アメリカの音楽業界はほぼ20年ぶりの二桁成長をみせた。それから1年後の2017年も業界は成長を続け、大手レコード会社の収益は過去15年間で最も高いものとなった。そして、現在はこれまでなかったほど音楽ストリーミングが人気を博し、オンデマンドの音楽配信と動画配信を合わせると、2018年上半期だけで4,034億を記録している。ニールセンによると、これは41.6%の市場成長率ということだ。

この急激な成長を牽引している音楽はヒップホップとR&B。市場の31%を占める成長著しいこのジャンルが、今日のアメリカ国内で最も大衆に愛されている事実に疑いの余地はない。(これまで何十年も音楽業界を牽引してきたロックンロールは2017年にその王座を明け渡し、現在の市場占有率は23%にとどまる。) この状況を鑑みると、ポスト・マローンやカーディ・Bが上半期の配信総数で優勢なアーティストであることに当然と言えるだろう。ちなみにドレイクの「ゴッズ・プラン」は2018年上半期で最もストリーミングされた楽曲で、音源と動画の総数が11億ストリームに達している。

Translated by Miki Nakayama

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