「日本3大音楽フェス」関係者だけが知っている歴代ベストシーン:フジロック編

もちろん、フジロックの醍醐味は音楽だけではない。カメラマンである森さんの目に、大自然に囲まれたロケーションはどのように映っているのだろうか。

「ボードウォークに光が差し込んだ写真のように、フェスっぽくない絵が撮れるのもフジロックの魅力ですよね。かくいう私も風景写真を撮るのが好きで、2012年にはorgで『フジ百景』というコーナーを始めたんです。例えば、テントサイトの一番上までいくと、『アルプスの少女ハイジ』みたいな大草原の中に、ぽつんとテントが一つだけ立っていたりする。そういったインスタ映えする場所がたくさんあるんですよ」


テントの写真(FUJIROCKERS.org掲載)。「『MORE FUN』という、アーティスト写真以外を撮るチームがくまなく歩いて見つけたものです」(森さん)




ボードウォークやドラゴンドラ、川べりに広がるところ天国など、自然と戯れられるスポットもフジロックの定番

さらに、「FUJIROCK EXPRESS」はスナップショットやグルメレポートなど、フェス文化の多様性を様々な切り口で届けてきた。“好きだからこその遊び心”は、こういったところにも垣間見える。

「当初は『PEOPLE』というお客さんのスナップとライブレポの2本立てだったのが、2000年代中盤くらいから『フェスごはん』もやるようになって。気がつくと、orgのカメラマン全員のノルマになっていました(笑)」


FUJIROCK EXPRESS 2017の「フェスごはん」コーナー。一品ずつに感想コメントと5段階評価が付いている。
「昨年は初めて全店舗を制覇して、『フェスご飯でフルコースやってみた』という記事もアップしています」(森さん)


最後に、ファン/orgそれぞれの立場から、2018年のフジロックについて語ってもらった。

「昨年末にSMASHの日高(正博)さんと呑んでたときに、『今年は新しい客層を入れるから、orgもよろしくな』とおっしゃってたんですよ。どういう意味かと思ったら、ケンドリック・ラマーやN.E.R.Dがヘッドライナーですからね。そっち系(ヒップホップ)だとポスト・マローンもカッコよさそうだし、あとはやっぱりボブ・ディランも楽しみです。orgは基本的に例年同様ですけど、ステージやトイレの混雑状況や、苗場から湯沢に帰るバスの並び具合など、お客さんの役に立つような情報も配信していこうと考えています」





森リョータ
フォトグラファー。1975年、福島県会津若松生まれ。思案堂合同会社代表。音楽WEBメディア「LIM PRESS」運営。




FUJI ROCK FESTIVAL’18
日程:2018年7月27日(金)、28日(土)、29日(日)
時間:開場 9:00  開演 11:00  終演予定 23:00
会場:新潟県 湯沢町 苗場スキー場
http://www.fujirockfestival.com/

FUJI ROCK FESTIVAL OFFICIAL FAN SITE
http://fujirockers.org/


メインのGREEN STAGEや夜を彩るTHE PALACE OF WONDERなど様々なエリアが点在し、3日間で200組以上のアーティストが出演。小さな舞台にもドラマが用意されている。

Rolling Stone Japan vol.03掲載




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