ヨーコ・オノ、再考され殺伐とした「ウォーゾーン」新バージョンを公開

「ウォーゾーン」の新バージョンを公開したオノ・ヨーコ(photo by Shutterstock)

オノ・ヨーコが新作のタイトル・トラックである「ウォーゾーン」の殺伐とした新バージョンを公開した。本作には「イマジン」を含む既存の13曲の新バージョンが収録されている。

オノ・ヨーコは、1995年にリリースした「ウォーゾーン/Warzone」の大胆で、おぞましさすら感じる新バージョンを公開した。この曲は近くリリースされるオノの新作のタイトル・トラックとなる。新作『Warzone』には、1970年から2009年の間にリリースされたオリジナル曲から13曲を厳選し、楽曲のイメージを練り直した新バージョンを収録。このアルバムはChimera Musicから10月19日にリリース予定だ。

「ウォーゾーン」のオリジナル・バージョン(1995年のアルバム『ライジング/Rising』収録)は、さながら辛辣なパンクの集中砲火で、激しいギターとドラムの上でオノが吠えるように歌っている。新バージョンにもオリジナル同様の耳触りな音は健在だが、薄気味悪いシンセ・サウンドがアクセントのまばらなインダストリアル・ストンプ、象の鳴き声、銃砲のような効果音が新たに配置されている。そして、オノは「皮は剥れ、骨は溶け、心を維持する、命を維持する」と切れ味の悪い歌詞を、まるでポエムを朗読するように歌い、時折聞こえるうめき声と同化する。

このアルバムに関するコメントで、オノは「ウォーゾーン」のオリジナルと新バージョンの関連性について、「世界は本当に混乱している。誰にとっても大変な状況だ。私たちが住んでいる世界は紛争地帯と言える。私は新しい方法での創作が好きだし、毎日物事は変化している」と述べている。

アルバム『Warzone』に収録されている他の曲も、タイトル・トラックと同じように極限まで余分なものを削ぎ落として、オノのボーカルと歌詞を強調している。これについては、「このミニマルな音風景の中で、彼女のメッセージが正しくこだまし、メッセージを遮るものが一切ない。彼女のメッセージは重苦しい警告だったり、元気づける励ましだったりするが、彼女の英知と不屈の精神は一切ひるむことなく強力だ。そして彼女のパワーは歳月と人生経験を経て増大している」という声明が出ている。

今後オノは、ウェブサイトImaginePeace.comで毎週火曜日に『Warzone』収録曲を1曲ずつ公開していく。アルバムのトラックリストには「Now or Never」、「Woman Power」、「I Love All of Me」、「I Love You Earth」などがあり、最後にジョン・レノンの「イマジン/Imagine」の新解釈で幕を下ろす。2017年にオノはこの曲の共同ライターとしてのクレジットをやっと得た。

オノと共に『Warzone』を作ったミュージシャンは、トーマス・バートレット、マーク・リボー、Kassa Overall、ニコ・マーリー、ケイレブ・バーハンズ、パティ・キルロイ、Laura Lutzke、コートニー・オーランド。さらに、オノのウェブサイトでは、このアルバムで多くの人間より前に、ヒヒ、カラス、象、サル、ヒョウ、クジラ、オオカミなどの動物が三番目にクレジットされている。



Warzone
1. “Warzone”
2. “Hell In Paradise”
3. “Now Or Never”
4. “Where Do We Go From Here”
5. “Woman Power”
6. “It’s Gonna Rain”
7. “Why”
8. “Children Power”
9. “I Love All of Me”
10. “Teddy Bear”
11. “I’m Alive”
12. “I Love You Earth”
13. “Imagine”


Translated by Miki Nakayama

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