フジロック現地レポ「スクリレックス、YOSHIKIとの邂逅でオリジナリティが爆発」

ここから1時間に渡って繰り広げられたのは、ジャンル不問の新旧ヒット曲と、自身の曲も含むダンス・サウンド、さらにルーツであるメタルやハードコアまで詰め込んだ、破天荒極まりないメガ・ミックス。繋ぎなどお構いなしのEDMマナーなDJで、アヴィーチー「Levels」にビッグ・ショーンのアカペラを、ミーゴス「Bad And Boujee」にリック・ロスを迎えた自身のナンバー「Purple Lamborghini」を重ねたり、ヒップホップもうまく交えた展開で観客を乗せていく。歓声がひときわ大きかったカルヴィン・ハリス「Summer」のあと、故・XXXテンタシオンの「Look At Me!」を挟んで、エイサップ・ロッキーのラップ、ダミアン・マーリーのレゲエと繋いだ展開は、最初のピークとなった(ちなみに開演前は、ボブ・マーリーの曲が流れていた)。


Photo by Shuya Nakano


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今回のステージセットは、大きく掲げられたスクリレックスのロゴマークと、その左右に照明が多数積まれていたくらいで、前回に比べればシンプルなもの……かと思われたが、炎やスモーク、さらに中盤からはライティングやレーザービーム、VJを駆使した演出はやはり刺激的。マイケル・ジャクソン『スリラー』のTシャツを着たスクリレックスは、ときにDJブースをよじ登り、観客に背中を向けながらツマミをいじってみせる。ほかにもタバコを吹かしながらDJしようとしたら、なかなか火が点かずお茶目な感じになったり、カッコイイのかダサいのか判断しづらいアクションは健在だった。

以降もカニエ・ウェスト「All Of The Lights」、ダフト・パンク「Harder Better Faster Stronger」、ジャック・ユー「Where Are Ü Now」、リアーナとヤー・ヤー・ヤーズ、A-Trakのマッシュアップ曲などが畳み掛けられる。バウンスからトラップ、ハウシーな四つ打ちまで、ビートもBPMも緩急自在。さらに、パンテラの「Fuckin Hostile!」やシステム・オブ・ア・ダウン「Chop Suey!」など、ゴリゴリのメタル・サウンドまで随所に飛び出し、スクリレックスはすっかり独走体勢に入っていく。


Photo by Shuya Nakano

DJの合間には、5年前を再現するように日章旗を振り回したり、肩を組ませて左右に飛び跳ねるクラウド・コントロールを促したりする一幕も。日本人のシャイな国民性を踏まえてか、盛り上げ方はとにかくシンプルでわかりやすい。「俺に元気を分けてくれ!」と孫悟空みたいなMCもあったが、実際にグリーンステージの一体感は半端なく、至るところでモッシュが自然発生し、いくつもの笑顔がスクリーンに映し出された。

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