三浦大知、20年のキャリアを支えた身体論とは?

ーいっそ三浦さんから見て「あ、ちょっとヤバいのが出てきたぞ、これは俺もうかうかしちゃいられないな」と危機感を煽られるぐらいのヤツが一人か二人現れてくれたら、けっこう面白くなるような気がするんですよね。

本当にそう思います。自分でもそこは夢見ますね。

ー宇多丸さんが「日本のエンターテイメントを変える可能性を持つ男」と三浦さんを評している通り、日本における“歌って踊る”ショーマンシップの歴史が更新されるためにも、ここからの三浦さんの活躍に期待が募ります。

そうですね。まだまだ僕自身についての課題も山ほどあるし、まさにこれからが本番なんですが、自分も30代になったので、徐々にそうした課題に対して、ちゃんと責任持って……と言って偉そうに聞こえたら困るんですけど(苦笑)、エンターテイメントの向上について、僕で役立つことがあるのならば、自分なりにどんどん向き合っていきたいとは思っていますね。

ー新たなトライ。新たなファンとの出会い。これまでのファンへの恩返し。次世代を生み出すような活躍……まさにここからが勝負ですね。

そう思います。でも、プレッシャーは全くなくて、何か考えれば考えるほどすごく楽しみなんですよね(笑)。

ー今は課題があればあるだけ、燃えてくるという感じですか?

本当にそうですね。まあ基本的に負けず嫌いな性格なんだと思いますし、不可能を可能にするって、それだけで楽しいし快感じゃないですか。

ーおお、まさに“ミッション・インポッシブル”ですね(笑)。

そうそう(笑)。「これはどう考えてもできないですね」と言われたとしても、ああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返した結果、「最初に無理だと思っていた形を超えちゃったじゃん?」というところにたどり着けたら、もうしてやったりというか、気持ちいいじゃないですか。そういうのがたまらなく好きなので、むしろ「楽しみで仕方がない」という感情しかないですね。

ーメソッドもケアも固定しないという三浦さんですが、そういう楽しみを形にするためのモットーについてはどうですか?

どうだろう……ああ、でもライブの前に円陣を組むときに僕が言うのは、「思い切り丁寧に楽しんでやろう」という一言ですね。全力と丁寧の二つがしっかりと両立していることが、僕にとって最良のエンタテインメントだと思っているので。

ーいい言葉ですね。

それはやっぱり日々の積み重ねがないとできないことだと思うので、そこに向かって自分がちゃんとやれているかどうかは都度都度チェックしていると思いますね。

ーいやそれはとても頷ける話です。というのも、『DAICHI MIURA BEST HIT TOUR 2017』のツアーグッズをチェックしたら、Tシャツのデザインが“地層”なんですよね。

ああ、はいはい。

ーご本人を前にしてこんなことを言うのもちょっと申し訳ないんですが、「うわー、すげえな三浦大知、地球の大地レベルで積み重ねちゃうのかよ?」って。関心もしましたけど、さすがに凄過ぎてちょっと爆笑しちゃって(笑)。

そっか(笑)。あれはデザインの打ち合わせの席で自分から「地層がいいですね」って提案したやつでした。「地層で何かロゴ考えてもらえたりしないですかねえ?」って(笑)。アメリカにアンテロープ・キャニオンという有名な地層があるじゃないですか? あれにものすごく惹かれるんです。

ーあれは美しいですよねえ。

歳月の積み重ねの創る美しさが人を魅了するなんて素敵じゃないですか。積み重ねがあるからこそできることって、人間なら誰しもたくさんあると思うので。

ー40代、50代や次世代についての話題も上がりましたが、他に三浦さんの中で今考えているヴィジョンは何かありますか? 例えば海外進出とか。

そうですね。今は国内とか国外とかいう言葉がそんなに意味を成していないじゃないかと思うんですよね。インターネットでいろんなところとつながれるし、かなりボーダーレスだし、どこの国の映像だろうが音楽だろうが聴けるような時代ですからね。逆に言えば意識しない方が難しいというか。だからといって英語の曲ばかり作ろう、みたいな気持ちはないんですが。そういうことではなく、もう最初からそうやって海外を視野に入れたヴィジョンありきでエンターテイメントを捉えて活動していく方が、これからの自分にとっては自然な流れなのだろうと思っています。

ーなるほど。あとは今日この会話において何度も登場した「楽しい」を極める方向で邁進していくということでしょうか。

そうですね。もう、とにかくあそこに何か鉱脈がありそうと思ったらチーム全員でまず行ってみる。「あ、違った!」ってなってもいい(笑)。そうやってみんなでああだこうだと言い合いながら、チーム三浦大知だからこそ実現させることのできる表現をどんどん増やしていきたいですね。

ーこれからの三浦大知に大きく期待しています。今日はありがとうございました。

こちらこそ。ありがとうございました!




三浦大知

1987年8月24日生まれ、沖縄県出身。Folder のメインヴォーカルとして1997年にデビュー。2005年3月にシングル「Keep It Goin’ On」でソロデビュー。天性の歌声とリズム感、抜群の歌唱力と世界水準のダンスで人々を魅了し、コレオグラフやソングライティング、楽器も操るスーパーエンターテイナー。2017年1月にリリースした「EXCITE」で自身初のオリコン週間シングルランキング1位を獲得。2017年3月、6枚目となるオリジナルアルバム『HIT』をリリース。11月、「第50回日本有線大賞」において「有線音楽優秀賞」を受賞。合わせて「第59回輝く!日本レコード大賞」において「EXCITE」が優秀作品賞を受賞、その年「第68回NHK紅白歌合戦」にて紅白初出演を果たした。2018年1月31日にはワンマンでは初となる大阪城ホール公演、2月14日・15日には2デイズでは初となる日本武道館公演を開催し大成功をおさめる。3月7日、自身初となるベストアルバム『BEST』をリリースし、アルバムでは初のオリコン週間ランキングで1位を獲得。7月11日にはNao’ymtプロデュースのアルバム『球体』を発表。8月22日にはシングル「Be Myself」をリリースする。https://avex.jp/daichi/




New Single「Be Myself」
2018年8月22日発売
[CD+DVD] AVCD-16894/B
[CD] AVCD-16895

<CD収録曲>
01.    Be Myself
02.    Perfect Day Off 
03.    Breathless
※AVCD-16894とAVCD-16895のCD収録内容は共通。

<DVD収録内容>
Be Myself -Music Video-
Be Myself -Making-






Styling = Yuya Murata Hair and Make-up = Ryusuke Toyama
ブルゾン ¥121,500(税抜)、シャツ ¥53,500(税抜)、Tシャツ ¥13,000(税抜)、パンツ ¥39,500(税抜)、シューズ ¥39,500(税抜)(すべてワイスリー/アディダス ファッション グループ ショールーム TEL: 03-5547-6501)

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